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【彫刻の上の散歩道】カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館。
古典、印象派からミニマルアート、カラーフィールド等アメリカの60年〜80年代中心のコレクションが進み、非常に豊かな常設展を形成している。

今年、中学生になった長男が「ここ、行ったことあるよね?」美術資料集を見せてきた。
掲載されていた写真は川村記念美術館のロスコ・ルームの写真。
え、あの部屋が美術資料集に載るのか…?なかなか面白いチョイスだな?資料集とは?と思った。


他にも自分が学生の頃は考えられない作品が掲載されている資料集を見てなんだかワクワクした。
因みに次男の図工の教科書には埼玉県立近代美術館や世田谷美術館の写真がありこれも渋いなぁ!と。


さてそんな川村記念美術館、今回の展示概要はこちら

カール・アンドレ(1935–2024)は1960年代後半のアメリカを中心に興隆したミニマル・アートを代表する彫刻家です。日本の美術館において初めての個展となる本展は、同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置き、規則的に広がるアンドレの典型的な彫刻作品を大きな空間で展開します。アンドレは自身の作品が、それが置かれる周りの空間に作用するものであることを「場としての彫刻」という言葉で表しています。

DIC川村記念美術館公式webサイトより



3月に行われたのギャラリー・トークには冨井大裕さんの講演もあったらしい。カール・アンドレの話をする冨井さん…ちょっと聞きたかった。

展覧会開催の告知後、今年の1月に惜しくもカール・アンドレは亡くなってしまった。しかもつい先日5/4にカールと親交のあったフランク・ステラも亡くなってしまった。
常設展最後のステラの展示コーナーにはアンドレとの関係について詳しく記したパネルがあった。
が、最後の一文に追悼文が書き加えられていた。
フランク・ステラの世界的なコレクションを誇るDIC川村記念美術館。
末永く、展示を続けてほしい。


これもステラ


彫刻の上を歩く

展示されているいくつかの彫刻は、その上を歩くことができる。
この彫刻と自分の関係はなにか?と不思議になる。
上に乗って歩くことで見る対象から少し外れる。
自分の地面になる。彫刻が地面になる?
「作品」といわれている「彫刻」に乗る。
平常心かといわれるとちょっと違う。高揚感がある。
自分も一部になったような気がするのかもしれない。



しかしキューブが整列している様はソル・ルウィットを思い起こさせる。
これの骨組み版のような作品を作っていた気がする。

意味はないかも知れないしあるかも知れない。
シンプルな思考かもしれないし複雑な思考かもしれない。
自分が目にしているものって、なんなのか。
鉄くずなのか木片なのか彫刻なのか。
鉄くずでもあり木片でもあり彫刻でもあるのだろう。

そんなことを考えながら展示を見終えた。

因みに10歳になる次男と一緒に見学していたが、彼は彫刻パーツを全て数えることに徹していた。
そういう楽しみ方もあるのね。

DIC川村記念美術館への道のり

今まで3〜4度ほど訪問しており、その立地から車での訪問がオススメ。
一度だけ、ジョゼフ・アルバースの展示の時かな、東京駅からの直通バスで行ったこともあった。これはこれで観光気分で楽しい。60分ほどで着く。
しかし東京駅まで出るのが地味に面倒な地域に住んでいるのと、予約不可で定員に達した場合は乗れないというギャンブル感があり確実な方法ではないかな、と。

交通手段的に行きにくい美術館へ一人で行くには

「車の免許が必要」ということで。
今年2月に車の運転免許を初めて取得した。
40歳を超えて初の免許取得。
子供が小さいうちに取得できればもっと楽だったのだろうとも思うがまとまった時間もとれず公共交通機関も豊富なので必要にも迫られず。
今回、いわゆる教習所には通わず、警察庁の一発試験で免許をとりに行った。警察官を助手席に乗せて走るプレッシャーは相当だったがなんとか。

というわけで自分の運転で初めてDIC川村記念美術館へ行ってきた。
都内某区から下道で湾岸道路を通り、到着した時にはちょっとした達成感があった。

展示室内の写真は撮れないのでポスターを撮った
写真少なめですが、素晴らしい場所

庭園散策もぜひ。
庭園内にある休憩所はまるでカフェの様に綺麗な屋根付きのフリースペース。自販機も数台あり。
周辺のコンビニは歩いて20分以上かかる場所に一軒なので、しっかり事前に食料調達した後に行くのがおすすめ。
展示室を一回りすると、かなりお腹が減る。
館内、レストランと茶室はあるがあまりカジュアルではないので子供連れだと鑑賞後は庭園でピクニック&思いっきり遊ばせて発散!が良いかもしれない。

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