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初の試み!体操・新体操フェスティバルを開催しました。

 ご無沙汰しております。いよいよ2021年が終わりました。本年は学生から社会人にシフトチェンジし、生活や考えることもガラッと変わって、激動の1年だったように感じております。


 さて、そんな師走のさなか、12月25日(土)に、兵庫県尼崎市のベイコム総合体育館にて「体操・新体操フェスティバル」を開催いたしました。

 このイベント、私も主催である「アイリ―ジムナスティックス」の一員として、運営に関わっていました。ここで宣伝したかったのですが、なんせ”師走”忙しく駆け回っておりました。(笑)

 ここでは、このイベントは何者なのか、どんな意図があってどんな成果があったのか、元新体操選手ロールパンナ個人として考察してみようと思います。

「体操・新体操フェスティバル」とは?

体操フェスポスターQR無

新体操フェスポスター

 本イベントは、「見る」こともできて、「する」こともできて、「楽しんで」もらうこともできて、体操・新体操を身近に感じてもらうことを目的にしていました。体操や新体操は、「きれい」「ダイナミック」で「すごい!!」反面、「私には無理」等、少し敷居が高いと感じられる方も多いような気がしています。特に新体操では、選手として活躍しようとすると、

スタイルがよくないといけない
身体が柔らかくないといけない
生まれ持ったセンスがないと
小さい頃からやっていないと

などなど、多くの呪縛があり、することに踏み切れないことが多いです。更に、実際に新体操をやりたい!と思っても、

床を傷つけるから体育館使用不可
道具を揃えるのが大変
あまり見たことがない

など、環境的な面でも不便な思いをすることが多く、実際に新体操を見たことがあるという人が少ないという現状もあります。

 こうしたイメージや現状を払拭すべく、開催されたのが「体操・新体操フェスティバル」でした。

 そんなフェスティバルに、私も出演者の一人として出演させていだたきました。改めて新体操をするということに挑戦して、感じたことがあります。

元新体操選手がまた新体操をはじめるということ

 スポーツというのは、その人にとって重要な経験であり、人によっては人生を語る上で欠かせない存在になっていたりします。私は新体操の経験はとっても貴重なものだったと感じていますし、自分を語る上で欠かせないものであると思っています。アイデンティティにもなっている新体操ですが、「じゃあ今もやっているの?」と聞かれると、その答えは「NO」でした。

 その「NO」の中には、色んな意味合いが含まれていたように思います。

「もうレオタードは着れない」
「身体は動かない」
「人に見せられるような演技はできない」

 「もうやっていない」のは、単にやらないという決断をしたというだけでなくて、今の自分にはできないものがたくさん積み重なっているんだというメッセージも込めていたように思います。

 色んな人が私に言う「やってないの?」と、自分が思う「やる」ことは、重さが違っていたようです。「やめるなんてもったいない」と言われますが、そんな軽い気持ちでできるものではないのです。

…と、自分で勝手に感じていました。


 はじめ、「社会人で新体操やってるから、よかったらどう?」と声をかけられたとき、正直乗り気ではありませんでした。なぜなら、

「もうあの時みたいに身体は動かない」
「人に見せる演技なんてできない」

と、強く感じたからです。更に、もし新体操をまたやりだしたと恩師が聞いたら、「恥ずかしくないの?」と言われそうとも感じました。見せられない演技はできないし、周りから「動いてないなあ」と思われるのも恥ずかしく感じていました。

 それでも。

 引退して何年経っても、「あの曲で踊ってみたい」と思うし、またリボンやフープを投げてくるくるしたいし、思いっ切り踊りたいと言う気持ちがある。あれだけ辛くて、やめたくてやめたのに、未だに心の中で踊ってしまう自分の気持ちがありました。

そして。

 そんな自分の気持ちに正直になって、社会人で新体操をしている人がいる。そんな姿に感化され、自分も正直になることができました。今は、恥ずかしいとか見せられないといった思いも少しありますが、そんな気持ちよりも、やりたいことをできるという喜びを感じながら新体操を踊っています。

 元新体操選手が、一度競技を離れてまた新体操をするためには、多くの制約があります。その原因の多くは、(もちろん環境の問題もありますが、ここでは一旦置いておいて)自分の固定概念だと思います。人に見てもらう競技であるからこそ、「自分はもうできない」の気持ちは大きいのです。そして、その気持ちが自分の一歩を邪魔してしまいます。今回、新たな形で”新体操選手”になれたのは、そういったハードルを越えることができたからであり、私の中にあった高いハードルを越えるきっかけをくれた新たな仲間には大変感謝しています。

体操フェスティバルの成果

 改めて、今回の体操・新体操フェスティバルの目的は、

体操を「見て」「して」「楽しむ」こと

 かつて競技として、自分の生活の全てをかけて新体操をしていた私は、試合でいい結果を出すために辛い練習に耐え、試合でいい思いをする(かも)という少しの楽しさのために新体操に取り組んでいました。新体操は、自分を成長させてくれたものでありますが、楽しみのためにするものではありませんでした。

 それが新体操の全てだと思っていましたが、そうではないということに気づくことができました。自分の楽しみのために、体操や新体操をするという関わり方に気づくことができたのです。

 新体操は「芸術スポーツ」と呼ばれ、他の球技や競争系のスポーツとは一線を画しているところがあるように感じています。また、自分の体を自由に操ったり、(上下左右各方面に向かう動きがあります。)、自分の動きをしながら他の道具を扱うといったことも行います。新体操は、競技を超えて考えると「健康」に生かせそうな部分がたくさんあるように思います。

 体操は、自分の体一つで行える運動であり、またそのトレーニングなどは家でもできる動作のヒントになるようなものがたくさんあります。

 こうした体操・新体操を競技だけでおさめてしまうなんてもったいない!今回のフェスティバルでは、競技でやっていてもいなくても、家で手軽にチャレンジできる!そして「見る」楽しみ方もある!ということを伝えることができたように思います。

◎家でチャレンジできること◎ 

たとえば、講師の先生方による講習がありました。一つは「自然運動」。自分の体を意図的に動かすというよりは、「重さがあるから腕が下がる」「右手が引っ張られるから身体全体が右に動く」というような、身体が自然に動くということを身につけるための講習です。普段感じることのない身体の内側からの動きを感じることができ、新たな自分の体との出会いがあった方も多かったことと思います。

 もう一つは、「エアロビクス」。エアロビクスも体操競技の一つと数えられますが、日本ではなかなか出会うことがありません。今回はクリスマスということもあり、楽しい音楽に合わせてリズミカルに動きました。身体が温まるだけでなく、自然に音楽と自分の動きとの連携を意識させ、その中にも静的な動作もあり、自分の身体に夢中になるような体験でした。

 こうした二つの講演は、選手でなくても・体操の経験がなくても手軽に挑戦することができ、かつ、動きの基礎になる大切な身体作りになりました。

◎「見て」楽しいこと◎

 さらに、見ているだけでも十分楽しめる内容だったと思います。幼稚園~中学生の子どもたちの演技は、「新体操の発表会」のような、新体操を使ってみんなで作品を作りあげることに挑戦したものであり、「新体操大好き」、そして新体操大好きな子たちは「かわいいなあ」ということが感じられるものでした。

 いつも総体等、試合の舞台を踏んでいる高校生の演技からは、「真摯に」「一生懸命」練習に取り組んでいることが伝わる演技で、全力で新体操に取り組むっていいなあと思わせられました。

 大学生や社会人の「デンマーク体操」、社会人の新体操からは、大人になっても経験の有無にかかわらず「思いっ切り身体を動かすこと」「好きなことをすること」の大切さを感じることができました。見た目の美しさは現役選手に届かないものの、自分の健康のために、楽しみのために運動を続ける内面の美しさを感じました。

 そして、今回はゲストとして、富山のお笑い芸人で現役新体操選手である「雷鳥お姉ちゃん」をお招きしました。「新体操の楽しさ・大人になっても楽しく続ける」ことの象徴的な存在である彼女の演技仕事やっぱり素敵でした。年齢を超えて、新体操を楽しむことができること、そしていつになっても「新体操が大好き」なこと。このことを思い続け体現することは、そう簡単なことではなかったと思います。雷鳥お姉ちゃんの存在・演技は今回のフェスティバルの目的にピッタリで、こうした新体操への関わり方って本当に素敵だなと再確認することができました。

終ーこれから目指したいこと

 今年度は初開催ながら、大ゲスト・講師をお招きし、たくさんの成果を残して終えることができました。新体操は、競技以外でのお披露目やメディア露出は増えてきたものの、まだまだその場は少ないのが現状です。また、新体操で培われることはもっとあって、それが生活の中に位置付けられたらもっといいのに…と感じることもあります。

 このフェスティバル自体は、来年度以降も開催する予定です。もっと規模を大きくして、もっと楽しさを感じて、参加される皆さんの生活の一部に位置付けるきっかけが与えられればいいなと思います。

 スポーツを自分の生活に取り込むことが、「真の生涯スポーツ」の姿です。そこを目指していきたい!

追伸-私のことについて

 昨年は社会人1年目であったこともあり、なかなかキーボードをカタカタすることができませんでした(*_*)2022年は、もっと活動していきたいと思っています。ですが、発信するだけのインプットが圧倒的に足りていません。もっと勉強して、考えて、自分の頭で整理したことがnoteに書けるように、精進してまいります。

長々とありがとうございました!

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