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正しい効率化とは。成長し、成果を出しながら業務を効率化する方法

自分にとっては成長が最重要であり、成長を伴わない効率化は自分にとって無意味である、というのが私の持論だ。今日は実際に「成果を出す」「成長する」「効率化する」の3つを鼎立化させるための方法を書いていきたい。

無意識に出来る仕事領域を増やす

いきなり結論を書くとこれだ。ファストアンドスローというベストセラーになった名著がある。この本の中では人間の脳を「ファスト脳(速い脳)」と「スロー脳(遅い脳)」に分けて考えている。

  • ファスト脳(速い脳)  - 過去の経験や記憶から直感的に物事を判断する脳

  • スロー脳(遅い脳)- じっくりと時間をかけて分析や熟考を重ねる中で一つの正しい判断を導いていく脳

大事なことはスロー脳はエネルギーをものすごく使う、ということである。世の中には一日に10時間以上仕事をする人もいるだろうが、スロー脳だけで仕事をするのはほぼ無理だろう。それぐらいスロー脳とは疲労を伴うものなのだ。

一日で出来る仕事の量を増やす効果的な方法の一つは「ファスト脳」で出来る仕事の領域を増やすことである。これは仕事ルーチン化することと等しい。「出社したらまずカレンダーを見る」をルーチン化している人は、さらにカレンダーの中に、朝からすべき作業の項目を書くようにする。その項目の中に、確認すべき資料のリンクを貼っておけば「確認すべき資料はどこにあったっけ?」と考える脳のリソースがそれだけで節約できることになる。機械的にクリックするだけだ。

最近、検索すればなんでも必要な情報が手に入るので、記憶する必要はなくなったきた、と考える人が増えてきたがそうではない。「記憶しているものを頭の中から取り出す」作業は「検索して調べる」作業よりもはるかに脳の負担が少ない。時間の節約だけでなく、脳の負荷は大事なポイントだ。「よくする仕事は何度も反復して条件反射で実施できるようにする」は非常に有効な業務の効率化だ。スロー脳でできるしごとをルーチン化してファスト脳で出来るようにする、ということは非常に有用な効率化である。

ファスト脳でする仕事とスロー脳でする仕事の時間帯を考える

次に自分の仕事の中で「ファスト脳」で出来る仕事と「スロー脳」ですべき仕事を分類する。一般的にはファスト脳の仕事がメールの返信や書類の確認、スロー脳ですべき仕事が計画や事業の課題解決になるだろう。

脳の効率を考えるのであればスロー脳ですべきことを朝のリフレッシュした時間帯に持ってきたほうがいい。新しい技術の勉強などは朝すべきだ。しかし、大抵の人はファスト脳で出来る仕事を朝に実施することが多いだろう。なぜならお客様への返信など、ファスト脳の仕事は緊急性を要するものが多いからだ。どうしても、朝にスロー脳を使う仕事を持ってくるのが難しい人は「前日の最後の時間」にファスト脳を使う仕事を持ってくるとよい。翌日の朝一からスロー脳を使う仕事を持ってくるには前日から準備するのが効果的だ。

また、すき間時間にスロー脳を使う仕事を持ってくるのは避けたほうがいい。スロー脳を使う仕事はパッと着手するのが難しい。じっくりとまとまった時間を取り、出来ればその間はメールもチャットも見ないぐらいが望ましいだろう。

このあたりの時間配分の話は7つの習慣などにも似たようなことが書いてあるので、読んだことのない人は是非読んで欲しい。

朝はドキュメント仕事、夜は会話仕事

ドキュメント仕事はルーチン化しやすい仕事だが、読み慣れていないドキュメントの読み取りは人間の脳にかかる負荷が高い。一方、会話仕事は脳にかかる負荷がそれほど高くなく、疲れた脳を元気にしてくれる。おそらく、会話のほうが読み書きよりも、本来の生物的な脳の働きに適したものだからだろう。基本的には会話仕事を遅い時間に持ってきたほうが良い。

最後に

今回の効率化の議論は「時間を効率的に使う」よりも「脳を効率的に使う」ということに重きをおいた。なぜなら、多くの人は時間を効率的に使うことだけを考えて、「成長する」ことや「成果を出すこと」をないがしろにしがちだとかんがえているからだ。そのあたりの考えは前回の記事の中で書かせてもらったので、興味ある人は是非前回の記事も読んでもらいたい。


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