会話形式の記事における一人称の決め方

会話形式の記事をつくるときに悩ましいことの一つは、一人称の表記方法だ。相手によって、話している感じをそのまま使うべきか、ネット記事上に文章化した時の印象から考えるべきかの判断が難しい。

たとえインタビュー中に「オレ」や「ウチ」を使っていても、そのまま文字にした時に印象が変わる場合がある。すごくテンション高めに話してくださった方の話し方がすごく良くて、それを文章でも踏襲したら本人から「なんだか偉そうに見えるのでやめてください」と言われたこともある。

どこまで崩した書き方をして良いかは、本人のSNS投稿を見るのが一番参考になる。会って喋るとすごく明るくてノリが良い感じでも、SNSの投稿をみるとすごくカタい人もいる。ネット空間への捉え方は人それぞれだ。

これは何度か失敗をしてわかったことだが、大抵の人は「実際よりも誠実に見える言い回し」を好む。個人的にはその人の人柄や空気感が変わってしまうので残念なのだが、こればかりは仕方がない。だから一人称は「私」になることが多くなる。

ただし、例外もある。普段からネットメディアに出ている人、それも「可笑しいこと大好き」なタイプは、真逆だ。いつものように一人称を「私」で作って初稿を渡したら、「サイトのトーンにお任せしますが…できれば丁寧じゃない方が良いです」と言われた。「私」を使っていると「自分じゃないみたいだ」と。

こういう人もいるんだなあと勉強になった。ちゃんと一人ひとりのタイプを見極めて、「実際」と「本人がどう見られたいか」のバランスをとった一人称を選ぶのは、なかなか悩ましく奥が深い。

※本noteは下記tweetのリライトです。


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