203号室

唄って 綴って 暮らしています。

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00.ごあいさつ

はじめまして。 生活感漂う こちらの写真は 私のベッド写したものです。 大学へ行かなければならない。 でも、なんだか今日は 行きたくないなあ。 そんな葛藤をして ベッドの上で もぞもぞ 手足をうごかし、ぐちゃぐちゃになった布団。 それがなんだか、 アラスカの風景に見えてしまって、思いを馳せているうちに am.8:30 大急ぎで支度をして いつもどおり、海風で錆びついたママチャリのペダルを 強く踏み込むのです。 こんなふうに続いていく 私のせいかつ。 その中で時々

    • 40.岸辺の旅

      風に乾く海岸線。 夜の海は静けさの中。 小刻みに震えるのは私の細胞のひとつひとつ。 ぬるいココアをコンビニで買った。 横切る店たちのあたたかい灯りが 瞳孔をすぎていく。 多分、私は今ほつれていて 編み直すのにちょっと時間がかかりそう。 人は人にすぐ何かを言うけど 人は人をそんなにちゃんと見ていない。 だから、そんなことどうだっていい。 そんなこと言いながらも どこかで気にして弱っていく。 かっこわるい。 それでも 私は私のまま死んでいく つもり

      • 39.湯、燦々

        久しぶりに湯につかった。 乳白色の入浴剤を入れた湯から 立ち上る湯気。 私はそもそも 暑いのが苦手で 湯につかることもそんなに好きじゃないし 何よりちょっとめんどくさいと思ってしまう 1人暮らしを始めて5年。 湯につかる習慣はなくなった。 最近、色々なことが重なって 少し考えすぎてしまう。 未来、変わっていくもの、生活、不安。 湯を撫でる。垢を剥がすように。 当たり前すぎて気がつかないもの。沢山あった。 秋虫の声に包まれながら 私は今まぎれもなく

        • 38.薄羽蜉蝣

          やらなければいけないことが山積みになって 夏の暑さで腐っている。 それを考えることさえも億劫で 頭の片隅において 見なかったことにしている。 港で海風に吹かれる。 山にかかる雲影はゆっくりと向かってきて やがて私にかかる。 一瞬のやすらぎ。 知らない町の夏祭りは ひかえめな花火が打ち上がって 小さな町を照らす。 さっきまで鳴いていた ひぐらしもびっくりしちゃったかな。 なんだか、子供の頃に戻った気がした。 戻れた気がした。 今年もやっぱり暑くて

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        00.ごあいさつ

          37.夏雲の午前

          車窓から見えるのは夏雲。 こんなに燦々としているのに 12時頃にゲリラ雨がふるらしい。 朝の日差しで白く輝いている家々は これから雨が降るのをわかってないみたい。 見下ろす街には日傘を指す人達。 あの日傘が午後には傘に変わるって想像すると なんだか面白い。 昨日からなんだかついてない。 いいことは続くし 悪いことも続くのはなんでだろう。 がああ。 私の隣では細身の男の人が マルチの勧誘している。 それを熱心に聞いている女子大生。 悪い大人いっぱい

          37.夏雲の午前

          36.草木と雨と

          今日はざあざあ雨。 頭もいたい。 雨はきらいじゃないけれど 今日の雨は鬱鬱としていてなんだかいやだ。 体調の良くない私が寝転がっているかたわら、 外では やった! って 草木たちが喜んでいるに違いない。 少し前から、自然豊かな環境に一時的に身を置かせてもらっていて 行き詰まってしまった音楽制作に没頭している。 夜になると蛙が歌い出したり 田んぼにさかさまに映る風景だったり 人々とビルに囲まれて育った私は 新鮮でわくわくしている。 なんだか最近暑いから

          36.草木と雨と

          35.ソーダ色の春

          9分咲き。3月ももう終わる。 連なる桜が不安を煽る。 グミを食べても、 青いソーダ味だけを無意識に残してしまう。 最後の1個を食べた。 私だって馬鹿だけど お前らほど馬鹿じゃない。 こんなくだらない毎日でも 洗濯物はたなびくし、 信号機も点滅する。 自分のこと、生きていくために もがくのに精一杯。 いつからか 視界の端っこで流れていく景色にも敏感になって 部屋の端っこ、1人で憂いてる。 はっきりしない暗い夜はだらしなく伸びていく髭だけが時間の経過

          35.ソーダ色の春

          34.ゲンダイテキやんぐくらんけ

          さっき矯正した視力で、世界がよく見える。 いつもはぼんやりと世界を見ているから、 ぼんやりとした性格になってしまったのだろうか。 がー。やる気が起きない。 やらなきゃいけないこと、分からないことばかりで疲れてしまう。 前から分かってはいたけど、ここまで非力が浮き彫りになると落ち込む。 随分と過保護に守られていた事を実感する。 感謝感謝です。マイペアレンツ。 1人で生きなきゃいけない。 すでに余裕なんて無いし、ちゃんと笑っていられるか。 不安が付き纏っても眠

          34.ゲンダイテキやんぐくらんけ

          33.半月の夜

          夜風が冷たすぎるのは ここ最近の体温が高かったから。 あぶない。あぶない。 ちょっと気を抜くと あと何回夜を越えればって数え出す。 瞳が綺麗だね。撮ってもいい?って。 そんなこと言って貰ったこともないし、好きじゃない自分の瞳。 それもなんだか好きになれそうな気がする。 声とか。味とか。匂いとか。仕草とか。 空とか。月とか。星とか。歩いた道とか。 忘れられない。忘れないように。 よくよく考えたら不思議な世界。 それぞれの居場所に戻っていく。 目頭が熱くな

          33.半月の夜

          32.ゆびきり

          指を切った。 いたい。 あーあ、朝から早起きしてがんばったのに。 心の奥。シャワーの音がしみる。 今日はシャーペンの芯もよく折れる。力みすぎてる。 白線だけを踏んで歩く自分だけのルールで 少しまわり道するのもたまにはいいでしょう。 月だと思っていたものは遠くでゆるゆると光る街灯で、 蜘蛛の糸がうっとおしくて切ると、 こわれた蜘蛛の巣から蜘蛛が落ちないように上の方にちょこちょこと避難している。 それを見て、この蜘蛛も一生懸命蜘蛛の糸を張ったのかと思うと私って

          32.ゆびきり

          31.群青東京

          金木犀の香りも弱まる午前。 海風が強く吹いて、くるくるの長い髪をゆらしながらてくてく歩いている。 視界でチラついてイラつくこともあるけれど、なんだかんだ愛おしく思っている。 だらしはないけれど。今に始まったことじゃないし。 空き家の窓に反射する猫背の私。 シャキッと背筋をただす。 白いシャツをたなびかせて。 青いコーデュロイパンツは晴天と重なるし、 おそろじゃん?とか少し気分も上がる。 次に金木犀が香る秋には、私はどの街でどんな姿をしているんだろうか。 不

          31.群青東京

          30. 杪夏 生きとし生けるもの

          相も変わらず、お日様はコンクリートを焦がしている。 でも、まあ、昨日よりもマシだよな。 横たわるベッド。 外の蝉時雨が 心の空白で振動する。 まだなかば。 蝉の声に合わせて無意識に貧乏ゆすりをする私。 冷たい殻を脱ぎ捨てて 白く立ちのぼる煙は、晴天にとける。 残るのは灰と生きるものたちの思い。 もうここにはいない。 白雲はどっしりと浮かんでいて その雲影にふわふわと地に足つかない私が佇む。 儚いな。ちっぽけだな。人は。 写真を抱き、車に揺られる。 流

          30. 杪夏 生きとし生けるもの

          29. 杪夏 7日目の蝉

          朝、携帯に連絡が入った。 「祖父が朝方亡くなりました。」 近い未来に来るだろうと覚悟はしていたが、まさか今日だとは思わない。 でもそれが死というものなのか。 知らされたとき、不思議と涙は出なかった。 なんでだろう。 大人になって強くなったから? まだ、現実味を帯びていない。 私はいつも通り、急ぐ訳でもなくシャワーを浴びた。 歯を磨いて。シャツを纏う。髪を整えようと洗面台の鏡をのぞく。 滲んだ私の顔が写った。 よかった。私はまだ私だった。 灼熱すぎてトンボ

          29. 杪夏 7日目の蝉

          28.解夏

          ぬるい風が体にまとわりついて気持ち悪い。 にじむ汗もかわかない。 草木め。心地よさそうに青々としやがって。 この暑すぎる夏にときめけるには、私はまだ若すぎる。 日々溜まる鬱憤を晴らすかのように 食べ終わったアイスの棒をフェンスにカンカンとぶつけながら夜道を歩く。 今日は酔っ払ったなあ。 アルコール混じりのため息をつく私の横を、 お祭り帰りのお面をつけた少年が猛スピードで駆け抜けていった。 多分、あいつが夏の正体だ。 祭りの表の華やかな部分も好きだけど、

          27.スーパー雨男の憂鬱

          いやあ、毎日ジメジメしてますねえ。 泳いじゃいましょうか。なんて。 どうも。雨男です。 じつは私、スーパーがつくほどの雨男なんです。 天気の神様がいるなら、多分神様の野郎は私の事がキライなんだと思います。 先日のお話。大学がおわって帰る際、雨が一時的にやんでいました。 心の中で「よっしゃ!!」と小さくガッツポーズをしていたのもつかの間 私がキャンパスの正門から1歩足を踏み出した直後に土砂降り。 しかも雨が横殴りすぎて、傘をさしても膝から下がびちょびちょ。 ああ

          27.スーパー雨男の憂鬱

          26.揺蕩うしあわせ

          私は強いから。 まじないをかけた。 最近、悲しいことや嫌なことが多い。 いつもベッドシーツは日曜日に洗っている。 正確には、日曜日にしか洗えない。 1回の洗濯に30分。それを2回に分けるので1時間暇な時間ができる。 その間に家のことをする。 今日のbgmは Stella Donellyの「Beware of the Dogs」というLP盤。 意外にも私はこの時間が好きだ。 家のことをしている間は考え事をせずに済む。 その傍ら、干した砂漠色のベッドシーツが青空

          26.揺蕩うしあわせ