見出し画像

高校生と地域の人と一緒に”ルーツ”をつくっていく「まちの相談員」を募集します!

 はじめまして、こんにちは!
 京都府北部の海があるまち、京丹後市で「京丹後市未来チャレンジ交流センターroots」(以後、roots)で、立ち上げ時から相談員をしている稲本朱珠(すず)と申します。

 rootsは、2020年10月31日にオープンし、先日OPEN丸3年を迎えました。京丹後市から委託を受けて「一般社団法人まちの企画部」が企画運営を行っています。(オープン当初は、有限責任事業組合まちの人事企画室が行っていましたが、今年度から運営団体が変わりました。関わっているメンバーは同じです。)

 rootsは、2020年10月31日にオープンし、丸3年を迎えました。これまでに、のべ約8,000名の方がrootsを訪れてくださり、新たなチャレンジによって実施したプロジェクトの数は200にのぼります。

 4年目以降のrootsをさらに進化させていきたい。そう思って、新しい仲間を募集することにしました!

▶︎ 募集要項はこちら

 週に4~5日rootsにいるメインの相談員となる仲間の募集です。地域づくりや教育、そもそも「人」に興味があるという方にぜひ知ってほしく、考えていることを言葉にしていきます。長くなりますが、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。


高校生と地域の人が集い、新たなチャレンジができる居場所

 rootsをオープンする際に定めたコンセプト。この軸にそって、日々場所をひらき、人と関わり、チャレンジを続けてきました。なぜ、このコンセプトにしたのか。roots立ち上げの経緯を少しお話しします。

rootsの外観、高校の通学路に面したガラス張りの建物です

 rootsがある京丹後市には、高校卒業後の進路となる大学や専門学校がありません。高卒就職できる会社もありますが、数は多くないため、高校生は卒業すると9割以上が、まちを出ていきます。この人口減少、少子高齢化の課題と、地方における教育格差をどうにかしようと動き出したのが、京丹後市役所政策企画課です。
 rootsオープンのおよそ3年前から「京丹後未来ラボ」という、高校生から地域の大人たち、移住検討者まで集まって、課題発見や解決のためのアイデアを考えるイベントを、月に一度行っていました。ただ、せっかく良いアイデアが出ても高校生は部活やテストなどで継続的に関わることが難しい。実現しようにも、誰がサポートするのかという問題が出てきて進まない。「高校生と地域の人たちが交流できる常設の場所をつくろう」京丹後市のプロポーザルに、まちの人事企画室がエントリーをして、運営の委託を受けることになりました。

※プロポーザルに対して提出した企画書の一部を公開しています。ご興味があれば、ご覧ください。

 同時期に、rootsから徒歩5分の京都府立峰山高校で「総合的な探究の授業」などでの地域とのつながりを重視し、「地域コーディネーター(京丹後市地域おこし協力隊)」が着任し、高校と地域がつながっていく土壌ができてきていました。学校の少し外側に、社会との接点があれば、もっと高校生の世界が広がるのではないだろうか。コロナ禍で交流センターを開設するという京丹後市の強い意志を感じて、ここを高校生と地域の人たちがチャレンジしていくスタートの場所になればと思って、コンセプトを決めました。

 高校生だけでなく、「地域の人」という言葉を入れたのは、rootsのオープンまでに(もちろんオープンしてからも)、たくさんの地域の方がrootsを気にかけてくださり、私たちのやろうとしていることに共感し、何か一緒にやろうと声をかけてくださったからです。私たちだけがrootsにいても、高校生の世界は広がっていかない。地域の人にとっても、ここから何かチャレンジできるような、心地の良い場所になるようにしたい。「そうすれば、両手を広げて高校生を迎えられる」と考えました。

この日は偶然にも卒業生、高校生、相談員、地域コーディネーターが集まった

 3年間で、このイメージはどんどん形になっていると感じます。高校生にとっては「rootsに行けば偶然に地域の大人と出会えて面白い話ができる」、大人たちにとっては「rootsで高校生と話すと元気になる、新しいことが生まれている場所」そんな言葉をよく聞きます。

rootsで大切にしていること

 あなたにとって、居場所だと感じる場所はどんな場所ですか。具体的にイメージできる方は、その場所を思い浮かべてみてください。いつもどんな気持ちでそこにいて、何がその気持ちをつくってくれているのでしょう。

壁一面にrootsに来てくれた人たちの「やってみたい」カードを貼っています

 rootsで大切にしていることは、2つです。「その人自身でいられること」「主体的であること」。まずは、また来たいと思ってもらえる場所でありたい。その心地よさの先に、チャレンジが生まれてきて、それをみんなで応援して、小さくても実現していきたい。
 そのために、私たちはrootsという空間の中だけではなく、もちろん高校生だけではなく相談員や地域の方も含めて、関わる人がいかにこの2つの状態であれるかを考えています。
 ありったけの勇気を出して、扉を開けて入ってきてくれた高校生や地域の方へかける一言、歓迎の気持ちの表し方。以前に話したことを何か一つ覚えていること。趣味の話を聴いたり、逆に自分の話をしたり、その人が本当の気持ちが言葉になるまでじっと待ったり。緊張感はありながらも、徐々にお互いを受け入れながら、来てくれた人が「居場所」だと思えるまでのプロセスを省略することなく、信じて待ち、一緒にその時間を過ごすこと。

 rootsには、カリキュラムも評価基準もルールもありません。やらないといけないことが何一つない。だからこそ、そこにいる人が自由に時間を過ごし、お互いが心地よくなるように配慮し、初めての人もよく来る人もゆるやかにつながり、会話したりしなかったりしながら、またそれぞれの場所に帰っていく。

高校生や地域の人たちはrootsで思い思いの過ごし方をしています

 バスを待っている間にゲームをしている高校生もいれば、本を読みに来てくれる地域の方もいます。相談員に相談をしている人もいれば、宿題をしている人もいる。今は、私以外にも相談員が複数人いて、毎日違うメンバーがrootsにいます。それぞれ仕事も違い、バックグラウンドも違う。
 教室1つ分くらいの小さなスペースに、本当にさまざまな人たちが集い、今ここで偶然に一緒にいることや会話がきっかけになり、「めっちゃいいやん!それやってみよう」とチャレンジが始まっていくんです。企画のアイデアが生まれたら、興味を持ってくれそうな地域の方に連絡して、高校生と地域の人とが会う日が決まる。次の展開にドキドキワクワクし、私たち相談員も嬉しい。(ここまでを一気に進めることが多いです。)

 こうして、日々たくさんのドラマが生まれ、結果として3年間で200ものイベントやプロジェクトが行われているのですが、そのベースには「居場所」としての心地よさ、自分自身を受けいれてもらえる安心感があるのだと思っています。

”みんなで”のために、繋ぐ人がいる

 おかげさまで、この3年間でrootsには様々な地域から、視察に来ていただく機会がありました。「行政からの委託事業なのに、どうしてこんなに自由なのか」「高校生のやってみたいことに関わってくれる大人のボランティアの方はどうやって集めたのか」ということを訊かれることがとても多く、その度にこの図を見てもらいながら、話をしてきました。

私たちが具体的にやっていることはこの図にまとまっています

 私たちのあり方は、このイメージです。高校生(や地域の方)の「やってみたい」を中心に手を繋いでいる。それぞれの役割を調整しながら、分担しながら、一緒に取り組む。
 感覚としてはとてもシンプルで、「こんなこと考えてるのか、面白い!」「それならこの人と会って話したら盛り上がるだろうな」「こんなことも出来るかも」それを楽しみながら、スピード感を持ちつつも、丁寧に進んでいく。まさにチャレンジの連続。うまくいかないこともたくさんあります。
 それでも、迷いながらも発してくれた高校生の「やってみたい」ことを実現したい。高校生と会うことで心動かされて、一緒にやってみようという人たちがrootsに集まってくれていると感じます。市役所の職員やボランティアという立場だけではなく、rootsの1ファンとして関わっていただいているのだと思うし、そう思ってもらえるように関係性を築いていきたいと思っています。(とはいえ、いつも無理難題に応えていただいている大人のみなさまには、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。)

壁のカードから、交流が始まっていくこともあります

 みんなでやれば、新しいアイデアも生まれるし、何より楽しい。自分が想像していたよりもすごいことになっていく。そのワクワクを高校生たちに味わってほしいし、何年後かに振り返ったとき、自分自身の「ルーツ」になっていたら、そんなに嬉しいことはないなと思っています。

 ちょうどこの年末に、rootsオープン当初に高校3年生として来てくれていた卒業生が帰省のタイミングでrootsに来てくれました。現在は京都市内の大学3回生として、ゼミ活動や地域活動に取り組んでいて、その中でrootsで企画をさせてもらったときに大人の人たちが色んなことを裏で調整してくれていたことに気づいたそうです。rootsでの体験から学んだことが、今とても活きていると言ってくれました。高校生としてrootsに通ってくれていたのは、たった5ヶ月ですが、たくさんのことを話し、共有し、一緒にチャレンジした関係性は、ずっと続いていくのだと思います。それは、もしかしたら地元と関わり続ける一つの理由になるのかもしれません。
 rootsは、場所がいつでも開かれていることや、とりあえず相談してみようかなと顔が浮かぶ人がいることが地域の中の役割であり、それを「やってみたい!」とピンとくる方にぜひ応募してほしいです。

未来のrootsを、つくっていく

rootsオープン時のポスター

▶︎ 募集要項はこちら

 応募職種を「まちの相談員」としたのは、とにかく色んな人たちの色んな相談をしっかりと聴くこと、とりあえずrootsに相談してみようかなと思ってもらうことが、仕事の根幹だと思ったからです。また、週に1日ずつ入る他の相談員メンバーとは少し違う役割として、roots全体のことを考えて動いていく立場という意味も込めました。

 rootsにいる時間は、人が来てくれれば忙しいですし、誰もいない時間はゆるやかに流れます。ただ、ガラス張りの空間で外からよく見えること、いつ初対面の人来るか分からない、知らない人と毎日たくさん話す日もあり、ストレスフルな側面もあります。そんな中でも、rootsに来てくれた人は大事な時間を使ってrootsに来ることを選んでくれている。高校生であれば、バス待ちの数十分かもしれないけれど、それは知らない大人と自分の話をする初めての経験になるかもしれない。エネルギーが必要な仕事でもあります。

 まちの相談員は、できる限りベストな状態でrootsにいられるのが良いなと思っています。まちの人事企画室の働き方の特徴として、仕事ありきで人を採用するのではなく、そのプロジェクトに取り組みたいメンバーが働きやすい形にチームをつくっていくスタイルがあります。私の場合は、週4日フルタイムがベストだと思ったのでそうしてきましたが、あなたのスタイルを試行錯誤しながら、一緒にベストを探っていきたいと思っています。「提案型社員」という言葉には、ぜひ働き方から主体的につくっていってほしいという思いを込めています。
 まちづくりは、人づくり。高校生や地域の人と関わることで、まちの未来をつくっていく。少子高齢化や教育格差など、課題はたくさんありますが、それらについて悲観するのではなく、たのしく解決していけるような仕事だと思います。rootsという場所から、地域における教育について対話を重ねながら、一緒に新たなチャレンジをしていけたら嬉しいです。

相談員メンバーから一言

 今、rootsには私以外に6名のメンバーが、週1日または月1日で相談員として関わってくれています。それぞれバックグラウンドも今の仕事も全く違いますが、あたたかくて面白いメンバーです。それぞれ一言ずつ、メッセージをもらったので紹介させてください。

普段は「地域コーディネーター」として高校で、探究の伴走支援をしています。元書店員ということもあり、本好きで仲間からは「文豪」と呼ばれています。高校生とrootsの橋渡しをしたり、企画のお手伝いをしたり。誰かのチャレンジの後押しをしつつ、刺激をもらいながら自分自身の「小さなできた」を日々楽しんでいます。

サンフランシスコで育ち、大学卒業後にNYに留学・就職、フランスでワーホリ、日本と海外を行き来しながら2年前に京丹後に移住しました。NY時代からデザインの仕事をしています。rootsの多世代、多様な相談員が高校生たちへの刺激になればと願っています。毎週水曜日にEnglish Timeを実施しています。

大学生の時に京丹後にひとめぼれして、新卒で昨年京丹後に移住してきました。普段は「京丹後地域づくり共同組合”ほむたん”」の組合員として、地域の企業で働いています。rootsでは毎月カレンダーと、前の月を振り返る通信あのねの投稿をしています。2023年はたくさんSNSの投稿をしました!高校生と一緒にいろんなことにチャレンジできるように、私自身も背伸ばし中です。

新卒で京丹後に移住し、普段は有機農園で働いています。rootsでは月1「ゆるっと音楽の会」を開催。rootsには多様な職業・地域の方々が訪れ日々新しい出会いがあります。高校生はプロジェクトに取組んだり、自習をしたり。高校生にとって心地よい空間作りや、やってみたい!と言える関係作りを心がけています。

普段は京都市内でWeb関連の仕事をしながら、月にいちど京丹後市に4日ほど滞在し仕事をしています。相談員は月にいちどの不定期でその場に居れる時間は少ないですが、rootsに来た人がその日来たときよりも帰るときの方が少しでも気持ちがほぐれているといいなという気持ちでいつも高校生や大学生と話をしています。

試行錯誤しながらクリエイティブに前に進んでいく人が多いまちに惹かれて東京から移住してきました。福祉の分野で地域に出かけていって取材する仕事をしながら、相談員をしています。10年以上食を通じて体験や空間を提供してきましが、大事にしてきたことが職種は違えどこれまでの仕事と重なるものが多く日々感動にあふれています。

まずは一緒に、rootsやそのまわりの話をしてみたい

 採用募集という形をとっていますが、今のrootsについてあなたがどう感じるか、これから先にどんな希望や課題が見えるのか、まずは話をしてみたいなと思っています。
 何より、rootsの相談員という仕事はとてもたのしい。その温度感を伝えたいし、働くことはもちろん、京丹後という場所で暮らすことの魅力も伝えたい。そこで、オンライン説明会という名のざっくばらんに話す会を開催することにしました。
 これまでの記事を読んで興味を持ったという方も、今までにrootsの話を聞いたことはあるもののもっと詳しく知りたいという方も、お気軽にご参加ください。
 
 第一回:1月10日(水) 20:00~21:00
 第二回:1月27日(土) 15:00~16:00
 第三回:2月7日(水) 20:00~21:00

▶︎オンライン説明会のお申込みはこちら

 オンライン説明会に参加していただいたあとは、可能な限り「体験相談員」として実際に相談員の仕事を体験していただき、働き方や暮らし方の相談もしながら採用までのプロセスを丁寧に進めていきます。
 ぜひ、あなたにお会いできるのを楽しみにしています。

▶︎こちらの記事も参考にご覧ください

▶︎高校生と大学生、地域の方と取り組んだプロジェクト

▶︎2022年度グッドデザイン賞を受賞しました

▶︎webサイト(rootsの日常はInstagramに)


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?