見出し画像

鶏の照り焼き


鶏の照り焼きですが、思い切り山椒を振って食べました。


さて、本日はカビが生えた肺を手術で取っちゃった1周年の記念日です。

思えば美女の看護師さんと爺さん婆さんに囲まれた入院生活でしたが、もう洒落になってませんでした。


肋骨1本取り外して右肺上葉部をイジェクトするという8時間にも及んだ大手術の後、ICUから移されのは一般病棟の大部屋です。

あ、ICUといっても国際基督教大学の事ではありません。


そんで、肺の疾患というと呼吸器科の担当じゃないですか。

呼吸器科に入院する人って大部分が爺さん婆さんなんですよ。

それだけならいいんですが、そのまた大部分は私に負けず劣らずボケ入っちゃってるんです。


そんな爺さん婆さん達の溜まり場で、6人収納の大部屋ですよ。

さらには看護が厄介な患者の集うと噂される、ナースステーション前の病室ですよ。

しかも致命傷なのが私に割り当てられたのはド真ん中のベッドですよ。


これでは前向いても右向いても左向いてもバイチャバイチャで目に入るのは寝たきり爺さんです。

もう見渡す限りの爺さん畑です。

しかも背後は壁なので逃げ場がありません。


ほとんどカーテン閉めてましたが、何が楽しくて爺さんを観察しなければならないのでしょう。

立ち上がった体勢の爺さんなど、病室ではついぞ見た事がありませんでした。


移動なんて大半は車椅子どころかベッドごとです。

当然介護がないとトイレにも行けないので、ナースコールは24時間体制で鳴りっぱなしです、やって来る看護師は患者1人に2人体制です。

部屋の爺さん達も咳しっぱなし、意味不明な独り言も出しっ放しです。


それどころか夜になったら、どこからともなく謎の呪文が聞こえてくるんですよ。

どっかの部屋からも「すいませーん!帰りたいんですけどー!」とか婆さんの大声が5分間隔で聞こえてくるんですよ。

深夜にナースコールと謎の呪文と婆さんの大声と爺さんが発する独り言で私もハッスルです。


隣の爺さんなんか一度、夜中に心臓が止まって病室が大混乱になってました。


これは完全に私を寝かさない気が満々です。

だって、こんな状態で眠れたら奇跡でしょう、就寝出来たら神業でしょう、スリーブしたらアンビリバボーでしょう。


翌朝、ICUでお世話になった上戸彩ライクな看護師さんから廊下で「昨日は眠れましたか?」と聞かれましたが、もう全然寝てないっす。

寝たいでんすが寝れないっす絶望的に寝れないっす泣きたいくらい寝れないっす。

しかし、力なく「ははは・・・」と答えただけで私の目頭もウエット彩でした。


ちなみに取った肋骨は、残念ながら忘れずに再接続されてます。



押すなよ!絶対に押すなよ!!