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サンキュー,デビル

悪意は鮮やかに記憶に残りやすいかもしれない.

中学三年になる前の春に引っ越したのだけれど,好きだけどずっと友達として仲が良かった子(Hとする)を好きな子(Kとする)がいた.
先生がわたしの引っ越しを告げたあとの休み時間に
「引っ越すの,すごくさびしいな!」
と満面の笑顔で言ってきたKさんの悪意の清々しさをけっこう思い出す.
そして引っ越したあと,HさんとKさんがいい感じになったことにも諸行無常を感じた.

高校三年のときに恋のスーパー逆恨みで,階段の途中から突き落とされた.
「あ,ぶつかっちゃった!ごめんねー(くすくす).」
という声とスローモーションのように落ちる自分もけっこう思い出す.
しばらくして逆恨みの原因と突き落とし犯は付き合ったので,どうして階段落ちする必要があったのかひどく疑問に思った.

わたしも悪意あふれる人間で,口の端がよく片側だけ上がっている.
誰かの記憶に鮮やかに残っているだろうか.

ちなみに悪魔が守ってくれて,階段落ちしても無傷だった.

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