大徳寺方丈 修理工事現場公開
京都府文化財建造物修理工事現場公開2022へ行ってきました。今年は大徳寺の方丈【国宝】の公開でした。
●大徳寺方丈について
方丈は大徳寺境内の奥に位置し、現在の建物は寛永12年(1635)に京都の豪商後藤益勝の援助により建てられた。
桁行29.9m、梁行17.0m、入母屋造、桟瓦葺(一部檜皮葺)の建物で南を正面とする。平面は前面4室、後部4室の8間で構成されており、前面を西(入口側)から礼之間、室中、雲門庵前室、檀那之間、後部を西から函丈之間、仏間、雲門庵、衣鉢之間とする。
●修理の内容
昭和7年(1932)に行われた根本的な修理以来の半解体修理で90年振りの解体しての修理となる。建物全体の傾き、柱の傾斜などの修理と耐震補強、経年劣化の部材の補修が行われる。
方丈と合わせて玄関、廊下、庫裏や仏殿の修理も行われる。
修理期間は令和2年11月〜令和8年10月を予定している。
●修理工事現場公開
今回は解体工程をほぼ終えた状態での公開であった。瓦や垂木、桔木は取り外され構造材がむき出しになっていて、損壊していた軒桁は外されて展示されていた。
また軒桁からは番付も見て取れた。
そして方丈南東に桔木が残してあって「昭和七年修補」と印が押してあり90年前の修理の際に交換された部材ということが見て取れた。
別部材にはなるが昭和七年の押印も紹介しておきたい。
この桔木の付近から寛永期のものと見られるノミが見つかりニュースとなった。飛檐垂木と化粧裏板との間に押しつぶされるように残っていたとのこと。
方丈東面、北面も間近で見ることが可能で、檜皮が残っていたりと細かく観察することが出来た。
室内は建具、畳と床板を外し、漆喰壁も剥がした状態となっていた。
墨書も展示されていて、畳に関しては寛永十三年(1636)と見え日本最古の畳と考えられている。
●おわりに
文化財の大切さを非常に感じられ、知的好奇心を刺激してくれる素晴らしい公開でした。例年11月第1週の土日に行われているので情報をチェックしてみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?