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1ユーザーとして富士フイルムに思うこと

一連のアナウンスを受け、個人的に思うことが爆発しそうなので、ここにまとめようと思います。

同じように富士フイルム機をお持ちの方、気苦労お察しいたします。
今回は完全に私見100%で書いておりますので、こういう考えもあるんだ程度に読み飛ばしてください。


国内供給が(ほぼ)ないに等しい

まずは経緯から簡単に書いていきます。

コロナ禍で各社供給不足が続いておりましたが、今年に入りそれもだいぶ緩和。新機種でもない限り即納される状況が戻りつつある昨今。ただ一社富士フイルムを除いては。

なんの部品がボトルネックになっているのか定かではありませんが、依然としてカメラ、レンズ共に供給不足が続いています。
またこの煽りを受け、主力機種への生産集中が起きてしまいました。例としては、ユーザーの中では人気があったX-E4が発売してそれほど経たずしてディスコンになってしまいました。

高騰する中古相場

新品で商品が買えない状況になると、その多くは必然的に中古市場を目指します。その結果、中古市場も品薄状態になり相場が徐々に高騰。特に著しいのはX100Vで、価格コムの初値16万円強だったものが、今や中古でも20万円後半で取引されているのが常態化しています。

しかし海外に在庫はある

世界的に富士フイルム機がないのならば仕方ないとも思えるのですが、海外では普通に購入することができます。現にB&Hでは現行の富士フイルム機が在庫あり状態となっていますね。

察するに、アナウンスこそありませんが国内向けの供給が絞られていると見受けられます。ではなぜ需要がある富士フイルム機の供給を絞るのか。

それはおそらく円安が原因でしょう。1ドル150円を超える円安の影響で、国内で販売メリットが薄くなっている。そもそも供給できる量が少ないならば、より利益の出る海外に回したほうが良いという判断なのかもしれません。

さらに円安は海外からのインバウンドを誘発し、富士フイルム機の買い漁りがあるという話も聞きます。当然、その多くは転売目的でしょう。昨今のポケモンカード転売を対岸の火事と思っていましたが、まさか自分の嗜好品で直撃するとは‥

買えないのに値上げ

10/27にX-T5を始め主力機種の供給ができないとアナウンスが。これから年末商戦なのに、現行機種で買えるものがほぼない状況になってしまったのには落胆しました。

そこに来て11/10からの値上げアナウンス。しかもこの値上げは猶予期間が全く無く、明日から改定するというもの。これだけでも酷いと思いました。

しかしもっと酷いのが、値上げ前に購入することすらできないということ。駆け込み需要すら受け付けない今回のスケジュール設定は、まるで袋小路に追い詰められた気分になりました。

考察

富士フイルムとしても円安やインバウンドなど想定外の事態が重なっていることは理解できますし、値上げすることで日本での利益率を上げ、海外需要を減らそうと策を講じていることもわかります。

しかし、ただ供給絞って値上げ、そしてダンマリでは日本のユーザーは納得できません。例えば某社のように言語設定を日本向けならば日本語だけに限定し、あとからダウンロードできるようにすることで国内のマーケットを守ることもできるはず。

当然この案も検討されたとは思いますが、結果的にこの手段を講じなかったのは海外重視という方針でしょう。つまり、相対的に日本の市場は軽視されてしまっているんだろうと思います。

嗜好品にはマインドの共感が必要

あくまで上記は個人的見解であり、1ユーザーから見た偏見も大いにあるかと思います。

しかしこの一件でボクが強く思ったのは、嗜好品はマインドの部分で共感できるものがほしい、ということ。

例えばボクはトヨタ自動車が好きなのですが、その理由のひとつに豊田章男現会長の存在があります。彼が当時社長だったときにモーターショウで言った「僕はガソリン臭くてね、燃費が悪くてね、音がいっぱいでるクルマが好き」という言葉はあまりに強烈でした。実際にエコカーばかりのトヨタのラインナップに86やスープラといったスポーツカーが復活し今に至ります。

もちろん意図していない部分もあるかと思いますが、クルマが好きな人ならば皆トヨタというブランドイメージが大きく変わった言葉だと思います。この人がトップならトヨタなんか面白いことやりそうじゃん、と。

もちろん企業ですから利益が出てなんぼの世界なのは十分承知しています。しかし、嗜好品や趣味性の高いものこそマインドの部分で共感できてこそ本当に楽しむことができる気がしています。

ボクがキヤノンから富士フイルムに乗り換えたのもそういう点が大きかった。フイルムシミュレーションやフルサイズに拘らないスタンスに強い共感がありました。

あれから6年弱経ちますが、今でも富士フイルムのプロダクトは好きです。ですが、今の経営方針には流石に同意しかねます。残念ながら富士フイルムとは一度袂を分つときが来たのかもしれません。

カメラは嗜好品。やはり自分が納得できるものを使うのが一番です。

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