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『稲盛和夫一日一言』 3月18日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3月18日(月)は、「能力を伸ばす方法」です。

ポイント:一見「無理だ」と思える高い目標にもひるまず、情熱を傾けて、ひたむきな努力を惜しまない。そのように努めることが、私たちの能力を自分自身も驚くほど伸長させてくれる。

 1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす ー素晴らしい人生をおくるためにー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「可能性を信じる」の項で、自分の可能性を信じることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 仕事という修羅場の中で、新しいことを成し遂げられる人は、信じることができる人です。
 信じることで生まれた光が、向こうから見えてくるから、追い続けることができるのです。そのため、難関を突破できないのは、「自分の技量が足らないのだ。自分の努力が足らないのだ」と謙虚に反省をし、唯一の希望の光を目指して、一生懸命努力をするのです。

 独創的な世界であればあるほど、従事する本人が「これはやれるのだ」と信じているかどうかが問われてきます。証明する何ものも存在しないとき、心の中に信じられるもの、つまり光を持っていなければ、さまざまな障害や難関が待ち受けている独創への道のりに挫折してしまうでしょう。

 信じるものがあれば、その道をひたすらに歩み続け、一生かかっても追い続けるはずです。流行に惑わされることなく、ひたすらにテーマに身をささげている。そうすると、ものごとはいつか実を結ぶものです。

 人間にとって、信じるということは非常に大切なことです。自分の可能性、仕事の可能性を信じることができなければなりません。(要約)

 また、同著「できないことを認める」の項で、できないことをできないと素直に認めることの大切さについて、名誉会長は次のように述べられています。

 私は、鹿児島から京都に出て仕事をするにあたり、方言しかしゃべれませんし、田舎者だと言うことで、非常に苦しんだことがあります。

 このように劣等感を持った場合、挫折につながっていくタイプの人があるのですが、私は劣等感を素直に受け取ったため、挫折することはありませんでした。
 「自分は田舎者だ。世間も知らないし、常識もない。大学は出ているけれども田舎大学だ。都会の一流大学を出た人よりは、実力はなさそうだ。それならば、もう一度基本的なところから勉強しよう」と考え、さらに一生懸命に仕事をしました。

 つまり、劣等感と格闘するのではなく、劣等感を素直に受けてしまうのです。そうすることが心を軽くし、新たな努力へのステップとなります。
 自分ができないことをできるようなふりをするのではなく、できないことをできないと素直に認めて、そこからやり直していくことが大切です。
 私は社会人になったとき、そのように考え、その後の人生において努力を続けていきました。
(要約)

 名誉会長は、1976年窯業協会第50回総会講演において、「技術開発に賭ける」と題して次のように話されています。
 
 私どもは、技術開発に対して、愚直に無限の可能性を信じています。テーマが決まると、脇目もふらず努力を続けます。

 しかしながら、技術開発は一朝一夕には進みません。「たゆまぬ努力が偉大なことを成しうる」という強い信念を持ち続け、たとえ何年もの長い時間がかかっても、孤独に耐えながら開発を続けます。
 無限の可能性を信じること、一歩一歩地道な努力を行うことが、素晴らしい成果を生むと信じています。


 また創造的なアイデアは、漫然と何かを探している状態では出てこないと思います。潜在意識下にまで浸透するほど、壮烈なまでに取り組んでいる状態でこそが、新しいクリエイティブなアイデアを生むと思うのです。
 ひたむきな努力と何としてもという執念が、新しいクリエイティブなアイデアにつながっていくのです。
(要約)

 今日の一言には、「(ひたむきな努力を続けていくことが)眠っていた潜在能力を大きく開花させていく」とあります。

 今自分ができることとできないことの棚卸をきちんと行い、改めて自ら定めた高い目標を見すえて、能力を未来進行形でとらえて、全身全霊を傾けてひたむきな努力を続ける。

 研究開発に限らず、人生において次のステップを踏み出そうとする人にとっては、たいへん有効なアプローチの仕方ではないでしょうか。


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