見出し画像

『稲盛和夫一日一言』 1月1日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1月1日(月)は、「人生方程式 ① 熱意と能力」です。

ポイント:「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
この方程式は、平均的な能力しか持たない人間が、偉大なことをなしうる方法を自らの体験を通じて示したもの。

 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします!

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)「人生を考える」の項で、自らが示した『人生方程式』について、稲盛名誉会長は次のように解説されています。

 人生や仕事の結果は、「考え方」と「熱意」と「能力」の三つの掛け算で決まります。
 この人生方程式は、私が京セラという会社を始めて間もない頃に考えつき、社員に話し出したものです。そして、「京セラフィロソフィ」の根幹をなすものと言っても過言ではなかろうかと思います。

 私は大学を卒業するまでずっと鹿児島で育ち、就職して初めて京都に出てきたぐらいで、当時はまったくの田舎者。しかも卒業したのは全国では決してレベルの高くない田舎の大学でした。
 そんな自分が一生懸命生きていくためには、どうすればいいのか。
 子どものころから負けず嫌いだった私は、自分のように優れた「能力」を持っているわけでもない人間が立派な仕事をしようと思えば、何が必要なのだろうと悩んでいました。

 そんなとき最初に思いついたのが「熱意」、そしてその次に気がついたのが「考え方」の重要性でした。
 
 「能力」とは、健全な肉体や、才能、持って生まれた適性などのことですが、多分に先天的なものです。「熱意」というのは、どうしてもこうありたいという強い思いであり、自分自身で決めることができるものです。

 「能力」と「熱意」は、それぞれ最低のゼロ点から最高の百点の間で評価されます。仕事をするときは、この二つの要素が積で掛かるので、飛び抜けた才能がなくても、自分の欠点を知っていて、それを補うために誰よりも情熱を燃やして一生懸命努力する人は、生まれながらの才能に恵まれ、それを鼻にかけてたいした努力をしない人より、大きなことを成し遂げることができます。
(要約)

 今日の一言では、「自分の能力を鼻にかけ、努力を怠った人よりも、自分にはすばぬけた能力がないと思い、誰よりも情熱を燃やし努力した人のほうが、はるかに素晴らしい仕事ができる」と言われています。

 1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「成功のための方程式」の項で、この『人生方程式』がどのようにして生まれたのかについて、名誉会長は次のように述べられています。

 私が仲間たちと会社を始める決心をしたとき、自分たちがたいしたビジネス経験もない、ただの若い平凡なエンジニアにすぎないということに気づきました。しかし、限られた能力しかなくても、成功することはできると彼らに納得させるため、私は「成功のための方程式」を考え出したのです。

 実際、われわれの「能力」は人並み以上のものではなかったので、正しい「考え方」をベースとして、自分たちよりも才能のある人たち以上に一生懸命に働こうという「熱意」を持つことが必要だったのです。

 もしこの三つの要素が足し算であれば、生まれつき才能に恵まれた人は、何もしなくても普通の人よりはるかに優位に立ってしまうことになり、普通の人がどんなに頑張っても、もともと才能のある人にはといてい太刀打ちできないことになってしまいます。
 しかし、足し算ではなく掛け算で考えることで、前向きの姿勢で熱意に満ちた努力を重ねれば、たとえ才能に恵まれていなくても、素晴らしい人生を送ることができることになります。
 そして、事実そうなのです。どこにでもいるような普通の人間でも、真面目に情熱を持って努力すれば、小さなころから天才と呼ばれてきた人たちよりもはるかに素晴らしい結果を生み出すことができるのです。
(要約)

 情熱を持って自身の人生に臨むことの大切さについて、名誉会長は次のような言葉を残されています。

 「情熱と呼べるほどの強い思いこそが、成功への鍵である」

 強い思い、情熱とは、二十四時間、寝ても覚めてもそのことを考えている状態のことですが、実際には二十四時間考え続けることは不可能です。
 しかし、そうしようという意志を持ち続けることが大事なのです。人生の目標をしっかりと定め、今日から始まる新たな一年を強い思いを持ってしっかりと生きていければと願っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?