見出し画像

コルセット装着後の腰痛

こんにちは、理学療法士のおかむーです。

今回は、コルセット装着後の腰痛についてお話しします。

臨床で見かけるのが、脊椎の圧迫骨折後、コルセットを装着すると腰痛が出現する方です。

症状がひどい人は、起きることも出来なくなります。

痛みを起こす部位は、PSIS周囲や腸骨稜などを見かけます。

これは、L1の圧迫骨折のような、痛み部位とは遠い位置の骨折の方も同様です。

では、そのようなことが何故、起こるのか?ですが

圧迫骨折になるのは高齢者が多いです。

高齢者は関節の柔軟性が乏しくなります。

それを踏まえて、例を挙げると

L2圧迫骨折で入院すると

しばらくは骨折部位を痛がります。

それも、しばらくすると痛みが落ち着いてきます。

ただし、コルセットを採型して、出来上がるまでは離床でません。

痛みが和らいだ頃、コルセットが完成して離床します。

コルセットのお陰で、骨折部位も安定して、痛みもかなり低下しています。

そこで、いままでの安静のうっぷんを晴らすように、骨折前の日常動作同様に起居動作が活発になります。

この起居動作、特に、起き上がりでは、通常、上肢支持、体幹の屈曲・側屈・回旋、股関節の屈曲(時に、内外転や回旋)で起き上がります。

ここで最も使用されるのが、上肢支持と体幹の動きです。

ところが、コルセットを装着している場合は、どうでしょうか?

体幹の動きが止められてしまうので、起きるための可動域としては下肢のみになります。

ここで、高齢者は下肢の柔軟性も低下してますので、そのカバーに仙腸関節が動いてきます。

これは、腰椎骨盤リズムの乱れに(下図C)対して、下肢が対応出来ないための代償です。

Donald A.Neumann 原著 嶋田 智明 他監訳:筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版 より引用

そう、コルセット装着後の痛みは、仙腸関節の緩みから来る場合が多いです。

当然、仙腸関節による痛みかどうか、評価する必要はあります。

そして、仙腸関節でしたら、痛みを起こす状態を調べ、それを押さえる筋強化になります。

予防策としては、コルセットが出来る前のベッドサイドで、下肢の柔軟性(特に、股関節に関わる二関節筋)を少しでも高めておきます。

体幹へのアプローチは慎重に行なわなければならず、評価も難しいので、お勧めはできません。

また、コルセット装着後にリハオーダーが出た場合は
初日から下肢の柔軟性、仙腸関節の動きの状態、仙腸関節を固定する筋の萎縮の程度を見るのも良いでしょう。

また、プラットフォーム、あるいは居室で寝返りや起き上がり、靴の脱着等、日常で体幹の側屈、回旋、屈曲を伴う動作を普段通り実施してもらい

その時の仙腸関節の動きを左右のPSISを触診して確かめ、仙腸関節の動きが大きな動作については、動作の指導をしたり

それがままならない人は、その時に使用される下肢の柔軟性、仙腸関節の動く方向を押さえる筋力強化を行なうのも手かと考えます。


最後までお読み頂きましてありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?