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QuestReading[6] 数学する身体

教育テレビの数学講座が好きで、画面に映るグラフを真似をして、お絵かきしていた。数学のテストの成績に助けられ、思い描いた大学に行くことができた。そして、今、数字を扱う仕事についている。
今日は、2016年の小林秀雄賞を受賞した数学の物語をQuest Reading。

書名:数学する身体
著者:森田 真生 
出版社:新潮社
出版年:2016年

「研究の対象」と「道具としての利用」このサイクルを繰り返しながら<数学>は進化している。
図形とは何かから、図という道具を使って命題に応えるステージへ。そして、図を記号に置き換え、記号を使った代数という考え方を突き詰めて、微積分という解法が生まれてきた。

道具とみるか、研究対象とするか。
少年野球をコーチしていると、子どもたちの野球の上達も、同じ仕組みになっている。まずは、投げて打って楽しい野球から、どうやって投げて打つかを研究する段階へ。戦術と理論は、ごちゃごちゃに考えず、順番に考えると、だんだんと取りこんでいける。

さらに、その先にいくとどうなるのか。

エニグマの解読に貢献したチューリングは、暗号という道具を研究したり利用しすることで、ヒトの心へと迫るようになった。多変量解析函数論を作り出した岡潔は、研究を突き詰めていく中で、著者の表現では風景へと融合していったとある。
普通、研究と利用を一緒にすすめようとするのは混乱の素だ。ただ、この二人は深く没入することができ、もともとの暗号や数学とは違う世界をみることができたのであろう。

研究と利用を繰り返すのではなく、1つでも、自身が没入できるテーマを持っておきたいものだ。

本書の中では、松尾芭蕉の言葉が引用されている。
「一世のうち 秀逸三五あらん人は作者、十句に及ぶ人名人なり」
名人を目指すならば、やりたいことの没入したいと願うものだ。

免責:
本を精読しているわけではありませんので、すべての内容が正確とは限りません。詳細は、実際の本でご確認ください。

ご覧いただきありがとうございます。仕事もプライベートもいろいろなモノを掘り下げていきます。