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ひきこもりの解決は、上手にひきこもること

前回の記事では、ひきこもりは緊急事態への対処、回復して緊急事態を脱したら、スモールステップでストレスに触れていくことがポイントだと書きました。今回は、また別のポイントをお伝えします。

対処方法は無数に存在

ひきこもりは、「ストレスから距離をとる」対処です。しかし、ストレスへの対処方法は無数にあります。「なぜ、別の方法をとらないのだろう?」「自分だったら、もっとこうする」と思われる方もいるかもしれません。その考えは間違いではなく、ひきこもる以外の対処方法をとっても構わないのです。では、なぜひきこもる対処を選ぶかというと、その方にとっては馴染みがあり、性に合っているからです。これ自体は、良いも悪いもありません。ただ、距離を取る対処をもう少し洗練させることで、社会で生きやすくなります。

大きく距離を取るのでなく、小さく距離を取る

洗練させるとはどういうことか?一言で言えば、大きく距離を取るのでなく、小さく距離を取るということです。別の言い方をすると、物理的にはストレスとの距離は近く、心理的に距離を取っている状態。上手にひきこもるとも言えます。心理的に距離を取るとは、「嫌なことを拒否する」「不得意なことに近づかない」「不快なことを言われても受け流す」といった行動です。

ひきこもっている状態にあり社会への抵抗が強い場合、これらの行動を増やしていくとハードルは下がります。「嫌なことを拒否する」ためには、適切な自己主張を覚えると良いでしょう。「不得意なことに近づかない」ためには、自己理解を深める必要があります。「不快なことを言われても受け流す」ためには、考え方の幅を広げる工夫が求められます。

ひきこもっている状態でも、人との接点が全くなくなっている人はまれです。近所のコンビニには行ける人はいますし、同居している家族との接点はあります。一人暮らしでも、ネットを通じて人間関係を持っている人が多いです。今ある人間関係の中で、心理的に距離を取るような行動に注目してみてください。そういった行動が出てきたら、社会の中での生きやすさに繋がりますので、大切に育ててみてください。周囲にいるご家族もこれらの行動を見かけたら、良い兆候と思ってください。

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