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『にごりえ』

『にごりえ』
樋口一葉著

樋口一葉といえば、たけくらべ・にごりえ。暗記事項だったなあ。
冒頭くらいは、読んだような気はするけど、初めて、まともに読んでみた。

短編の小説なのだけど、読みごたえあるもので、読み終わったあと、茫然としてしまう。

主人公のお力は、いろいろな事情があって、娼婦になっているのだけど、言葉のやり取りが巧みで、あまりにも、魅力的で、参ってしまう。

布団屋の源七が、お力に惚れ込んでしまって、破産してしまう。

源七の妻のお初が、献身的に家庭を守ろうとする。

恐ろしく情熱的な話なのに、淡々として、美しい文章が、物語を進めていく。

そして、あまりにも、唐突に、儚く、謎を残したエンディング。

何故に、そうなってしまうのか!

時代的なことから、女性の地位向上を考えさせられる内容で、、
そんなようなことから、5000円札の肖像画に選ばれたのだろうけど、

行間に滲み出るお力とお初の二人の心情が、ぐさっと刺さります。

「たけくらべ」が、女性の子供時代から、大人への成長過程の話であるのに対して、「にごりえ」は、成人女性が抱える問題を取り上げている。

日本人は、絶対読むべき一冊だと思わされた。

「rendes-vous」(yonawo)

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