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エビフライを好きになった理由

ちびまる子ちゃん、手土産の回

今日も今日とていつものようにアニメ『ちびまる子ちゃん』を視聴していた。今回は 「友蔵、手土産に悩む」という話で、友人に会いに行く友蔵が手土産を何にしようかとあれやこれや考える回であった。にゅーめんにしようとか鈴のキーホルダーにしようとかホテルスープにしようとか相手の事を考えながらお土産を選ぶ友蔵だったがひょんな事からまる子が貰った苔を間違えて持ってってしまう。結果として盆栽好きの友人だったから苔を貰って喜んでいたよというオチであり、なんだかほっこりしながら見ていた。
交友関係が少なくなった現在で手土産を持っていく、頂くという機会は中々なくテレビを見ながら「手土産いいなー」なんて思っていた。
その時にふと思い出した事があった。中学生の頃も今回のように手土産に憧れてそれが転じてある食べ物が好きになったのである。

ある日突然、好きな食べ物ランキング上位に食い込んだ「エビフライ」

その食べ物とはタイトルにあるようにエビフライの事だ。自分はエビフライが大好物で外食に行った時や特別な日のご飯のメニューの選択肢に必ずランクインしている。こんがりときつね色に揚がったザクザクの衣の中にはフワフワのエビが包まれていて一噛みするとエビの甘みと衣の食感が口の中を支配して噛めば噛む程美味しい気持ちが溢れてくるのだ。ソースやタルタルソースは多く付けずそのままで食べるのとしっぽまでカリカリと頂くのが個人的に好きな食べ方である。
自分(リュックサック)の好物=エビフライと周りの人もそうイメージするくらい自他ともに認めるエビフライファンである。

そんなエビフライなのだが昔は今程の熱量があった訳では無い。もちろん好きではあったのだが「好きな食べ物は?」と聞かれた時に「ラーメン」「アイスクリーム」「唐揚げ」と答える事が多くて全面に押し出している事は無かった。
じゃあ、いつから好きだったのかと記憶を辿った時にそれは中学生くらいまで遡る。国語の授業でとある話を読んだ事でエビフライへの熱い気持ちが膨らみ、エビフライ好きに進む事となったのである。

国語の授業での運命の出会い

きっかけともなった作品とは三浦哲郎さん著の「盆土産」である。自分はこの作品が大好きだった。
東京に働きに出たお父さんが帰省の時に手土産としてエビフライを買って帰ってきて、それを家族みんなで食べるというものだ。えんびフライに馴染みの無い主人公がどんな食べ物かとあれこれ考える所、お父さんが帰ってきてエビフライを用意して食べる所、その余韻の情景が事細やかにかつ繊細にありありと描かれており、読んでいるだけで頭の中は無数のエビフライがポコポコと浮かんで美味しそうな気持ちでよだれが思わず出そうになってしまう。
作中ではエビフライの事を「えんびフライ」と表現している所があり、この部分が非常に印象に残っていると言っても過言では無い。
この作品を読んだ後、主人公家族が美味しそうに食べる姿がありありと目に浮かんで、そうするとえんびフライが食べたくて仕方なくなった。その熱量のままに家に帰って「えんびフライ!えんびフライが食べたい!!」と母に伝えたものだ。さらに盆土産という特別感溢れる贈り物に憧れた事やその中身がエビフライだった事で「エビフライ=特別なもの」というイメージがついてより一層エビフライへの愛が蓄積されていったのである。
それからというもの自分の中でエビフライは特別な食べ物になった。

だから、自分はえんびフライが好き

えんびフライを食べる時いつも「盆土産」を思い出す。そして、あの話の中でえんびフライを食べた少年はこんな気持ちだったのかなと思いながら少年になったつもりで大切に大切にエビフライを食べる。
いつ、どこでどんなえんびフライを食べてもやっぱり美味しい。最高だ。

コレが自分がえんびフライを好きになった理由である。

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