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作者不詳の短編小説集~「まちまち」

小田急線の駅にあるフリーペーパーのマガジンラックに、文庫サイズの本が並んでいることに、最近になって気がついた。
小田急沿線の街を舞台にした、6篇ほどの物語で構成されている。
「まちまち」という短編小説集で、小田急不動産が無料で各駅に配布しているのものらしい。

この本がものすごく読み易い。文字が大きめで行間も広い。最近、老眼と白内障が進んで本が読めなくなってきたので、とてもありがたい。

物語自体は特別面白いというものではないけれど、慣れ親しんだ街、同じ沿線なのに降り立ったことのない駅、それぞれの地に住む人々の生活や、街の風景がほのぼのと描かれていて、なんだか楽しくなる。

小田急線の駅を訪れることがあったら、マガジンラックを探してみて下さい。賃貸マンションや就職情報誌の横に、小さな街に膨らむ大きな夢が詰まった本が見つかるかもしれません。

この短編集には作者名が載っていない。
最後のページに「小田急不動産」とあるだけ。
社員が書いているのか、外注なのか、一体どんな人がこの物語を 綴っているのか、想像するまでがこの短編集の本当の楽しみ方なのかもしれない。

老眼と白内障について書こうと想っていたトピックだったけれど、長くなりそうなので、目の話はまたの機会に。

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