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年年歳歳花相似 そして バブルの歴史

(タイトル画像は「みんなのフォトギャラリー」より写真を使わせていただきました。美しい作品をありがとうございます)

古人無復洛城東  
今人還對落花風
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同
こじんまたなく らくじょうのひがし
こんじんまたたいす らっかのかぜ
ねんねんさいさい はなあいにたり
さいさいねんねん ひとおなじからず

中国語読みしても日本語読みしても、ものすごく美しい劉希夷の名作です。日本人は梅とか桜とかの季節が花の季節と言いがちですが、花は春に限らない。

そして私はしかし、
年年歳歳花相似
歳歳年年人也同
と思ってる。歳歳年年、人もまた同じ。人ひとりひとりの見た目だとか、立場だとか、交際範囲だとか、状況だとか、そういった個々の変化は当然ありますが、しかし、それでも私は人は変わらないと思ってる。

私自身が、予期も悪しきも感情はゆっくりと出現して半永久的に持続するタイプの人間だということも多分に影響していますが、結局は人の本質的な気質や魂って、取り繕ったり修正したりしていきつつも、変えられないんでないか。と、年齢とともにむしろ思う。たとえば私は教育というのは付加するものではなくて引き出すものであるという考えなのですが、つまり、もともと持っていない種の花は育ちようも開きようもなく、自分が(またはこどもが)どんな種を持っていて、または持っていないのかわかっていないと、努力や進む道を誤って、自分と戦うばかりの辛いことになってしまう。ストア派哲学も言う通り、何が可変で不可変なのか認識しないと、変えられないものを変えようとするのは疲弊するだけで、どこにも行きつけないのではないでしょうか。

マリアージュ
という品種。八重咲のチューリップ。色が良いです。

個人の話だけでなく、相場の歴史を紐解いても人の本質は変わらないと感じます。でなければバブルは繰り返されませんから。強欲が暴騰を、恐怖が暴落を作っているようです。チューリップはなかなか好きなフォルムの花ではあるものの、自戒をこめて飾ったりもしています。

1630年代オランダ チューリップバブル
(欧州一高い収入をもつオランダ国民のチューリップ投機)
1720年代イギリス サウスシーバブル(南海泡沫)
(英国国債と南海株の交換の投機)
1820年代イギリス ポヤイス債
(ロンドン証券取引所で発行された唯一の架空の国の債権)
1840年代アメリカ 鉄道ブーム
1929年アメリカ 大恐慌

・・・とまあ、日本の土地バブルとかアメリカのサブプライムローンからリーマンショック、といろいろ続いてます。とにかくこの先も大きく株価や通貨が波打つ、あぶくの生成と崩壊の歴史が続いていくことは、絶対と言えることののない相場の例外的絶対ではないかって思うのです。私はこの構造や人の性質を理解することで、このあぶくを戦略的に向き合おうと思うのです。騰落もリスクも、それ自体に善悪はありませんから。

ファーストクラス
という品種。品のある色と形で良いです。

年年歳歳花相似で、チューリップバブルを連想してしまう、漢詩×相場 脳(笑)

ストロングゴールド!!
もう名前が最高!!ゴールドとか黄金とかそういう名称のものに完全に弱い。


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