『世界を変える寄り道 ポケモンGO、ナイアンティックの知られざる物語』を読んだ
読んだ…が、途中から読んだ感想じゃなくて追加情報を書いてしまっている。
【ソフトカバー】
【Kindle(電子書籍)】
Ingressのストーリーラインの説明の「会場で突然倒れて担ぎ出され、それが実は物語の一部だった……」(p.156)がアムステルダムでのアバドンプライム(2019年)でP.A.シャポーが搬送された件に思える点。
Nianticでマーケティングを担当する須賀健人さんが各地のイベントに顔を出してプレイヤーに話を聞く事を勧めた川島さんに対して「それは無駄ではないないでしょうか。イベントに参加しても、わずか数十人への影響しかない。広告を打つのに比べて効率が悪すぎます」と率直に述べた(p.209-p.210)、という部分を読んだら真っ向から鼻っ柱を折ってきた感じだったけどなんだか清々しく思えた。
p.161で紹介されている『ジョン・ハンケから、日本のエージェントへ。』という動画は、実はIngressがエンターテインメント部門の大賞を受賞した第18回文化庁メディア芸術祭受賞作品展のIngressの展示で流れていた動画になるのだが、覚えている人はいるだろうか。これがYouTubeにあると気づくのは随分後だった。この動画の「イングレスはゲームではない」(Ingress is not a game.)というフレーズが自分の中に強烈に印象に残っていた。日本語字幕付き。動画で流れる音楽はelegy(エレジー)という曲で、Ingressのストーリーラインに登場する人物、エノク・ダルビーが作曲した。
ジョー・フィリーさんの逝去が発表されたのはそんなタイミングだったのかなと改めて見返したが、確かに9月10日だった。(p.231-p.234)
Nianticにおけるダイバーシティ&インクルージョンの取り組みはIngressのレインボーXMなどで知られるけど、本ではリファラル採用と採用におけるダイバーシティ比率などNianticの採用面での取り組みにも触れられている。(p.294-p.295)
26人が参加した京都でのイベントは川島さんかNianticの人が時々「最初は20人くらいだったイベントが5000人に、今では1万人が来るまでに」と言って引き合いに出される時によく聞く。ブライアン・ローズさん(NianticのIngressシニアプロデューサー)が関わっていたのか。(p.312-p.313)
このイベントについてあれこれ調べていたが、肝心の日時が書いてあるページ(p.162-p.164)を読み飛ばしていて無駄に労力を使ってしまった。
川島さんが言及していたイベントは2014年3月15日に行われたバースト・オペレーション京都とその後に行われたミートアップの事だと気づいた。
ちょうどミートアップが開催される情報が幸運な事にファンサイトに残っていた。
ブライアン・ローズさんは2019年7月にNianticのIngressシニアプロデューサーの就任をツイート。
p.241-p.246の英語表現は役に立ちそうだと思った。英語で海外のIngressのエージェントとやり取りする時に。Ingressを始めてからまだやっていない事が、海外に行く事なんだよな…再びロンドンに行きたいというのもあるが、海外でのアノマリーイベントに参加したいというのもあるし、サンフランシスコのキューピッド・スパン(Cupid's Span)をこの目で見たいというのもある。キューピッド・スパン(Cupid's Span)はIngressのストーリーラインに最初期から登場するパブリックアート作品で、クレス・オルデンバーグとコーシャ・ヴァン・ブリュッゲンによって制作されて、2002年に公開された。
最後に海外に行ったのは2014年、Ingressを始める前である。今なら行けそうだと思う。SIM周りの情報も整備されつつあるし、あとは宿か。Ingressで違う大陸に渡りたい。
【Flickr】
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下では、リアルワールドゲームを取り巻く環境は厳しいものになっていると思っている。人を外に連れ出す事を目的とするアプリは、人が家にいる事を強いるこの状況とは対立するものになっている。そんな中で、Nianticのプロダクトはこの状況を乗り越えるために様々な工夫をしていると思っている。(p.314-p.325)
特にイベント開催に関しては厳しい状況に置かれている(p.322-p.324)。Ingressに関して言えば、以下のファンサイトにあるように、予定されたイベントは延期または中止になった。
しかし、Pokémon GO Festがオンラインで楽しめる形式になるなど、普段のゲームプレイと共に工夫がされているのは少し遊んだ自分も実感した。
世界中でワクチン接種が進む中、これまで開催してきたイベントが再び戻ってきて、再び世界中のIngressエージェントと顔を合わせたいと思っている。
一方で、リアルワールドゲームがサービスを終了する例もある。
Minecraft Earthは2021年6月30日にサービスを終了した。サービス終了を伝える発表文からは、ゲームコンセプトが新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の影響を大きく受けた事が分かる。
ハリー・ポッター:魔法同盟は2022年1月31日にサービスを終了する事が発表された。発表文からは新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の影響を大きく受けたという言及はないが残念に思っている。
ハリー・ポッター:魔法同盟で、魔法使い達が集まる形式の公式イベントがどれくらいあったかと思って調べてみると、2019年8月31日から2019年9月1日に開催されたアメリカ・インディアナ州インディアナポリスでのファンフェスティバルと、例外かもしれないが、日本での配信開始日である2019年7月2日に日本で行われたリリース記念イベントだけだった。
【インディアナポリスでのファンフェスティバル】
【ハリー・ポッター:魔法同盟の日本国内リリース記念イベント】
p.109-p.112:アメリカに15年以上長くいて、現地企業(Niantic)で副社長を務める程グローバルに活躍する川島さんでも英語への苦手意識があるのか…と思った。「腕に自信があるなら、言葉の壁を越えて理解してくれる人は現れます。頭の中で乗り方を覚えるだけでは自転車に乗れるようにはなりません。転びながら乗っているうちに、いつの間にか乗れるようになれます。」という自転車に乗る事に例えたくだりは分かりやすいと思った。
p.141:XM(エキゾチックマター)という未知の架空の物質を巡る物語がIngressでは展開されるわけだが(p.154-p.157)、バラク・オバマ政権でアメリカ大統領のCTO(最高技術責任者)を後に務めたミーガン・スミスさんが「Ingress」の命名に関わっていると知ると、地球を舞台にするに相応しい壮大なスケールの大きさを感じる。
p.152-p.198:Ingressについて紹介している部分では、Ingressの素晴らしさを織り交ぜながらまだプレイした事のない人に伝わる紹介文であり、既にIngressエージェントになった人にも分かりやすい紹介文だと思った。国や人種、宗教などを越えた繋がりをはじめ、情熱を持ってIngressを紹介する事については、まだまだ自分は上手く紹介する事はできないなと思っている。自分としてはIngressを用いた観光振興やいかに各種のIngressイベントで人が集まるのかという側面に焦点を当てたくなる事を確かめた。「Ingressの素晴らしさってなんですか?」と聞かれたらこの本を渡してp.152-p.198の部分を読んでもらおうと考えた。丸投げするようで申し訳ないが。
p.154-p.157:Ingressの重厚長大なストーリーラインの導入部分をこうも素晴らしくまとめ上げるとは…と唸った。丸写しして使おうかと考えるくらいに。どのようにしてストーリーラインの基礎を簡潔に伝えたら良いかと考える事が過去にあったが、1つの解決策になり得るとも捉えた。
「俳優を雇い、映画のような映像を作ってそうした物語を届けるだけでなく」(p.156)という部分が分かる動画はYouTube上に公開、あるいは限定公開で上がっている。
参考までに、2013年の映像をいくつか紹介する。
スザンナ・モイヤーがIngress上のトピックを伝えるIngress Reportはとりわけ人気を博していた。
2018年の映像で言えばダンレイブン財団のケーススタディになる(解説1、2、3)。
以下はIngress Primeのリリース時に合わせて公開された動画になる。
有志によるインタビュー映像も一部紹介する。
ラザさんとフリントさんと言えば、2017年1月、東京でミートアップがあったのが懐かしい(この時、残念ながらフリントさんとはニアミスのような状況で話をする機会には恵まれなかった)。
任天堂(Nintendo Switch)の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のディレクターを務めた事で知られる桜井政博さんが2015年の日本ゲーム大賞の授賞式でIngressの面白さについて素晴らしいスライドを作って観衆の人に説明した(p.207-p.208)とある。自分はそう何度も紹介する機会があったわけではないけれど、どんな要素を削り、どんな要素に焦点を当てて紹介するかを考えて僅かな時間の中でIngressを上手く紹介できた試しはないなと思うと同時に、桜井さんは僅かな時間の中でどのようにまとめ、どんな内容に焦点を当てていたのだろうかと気になった。
p.141-p.147、p.150:マリッサ・メイヤーさん(1、2)がGoogleの地図部門(Geoチーム)のトップに就任し、それまでGoogleの地図部門を率いていたジョン・ハンケさんがNiantic Labsを立ち上げなければ、Ingressは生まれてこなかったかもしれない。それどころか母校の大学での自分の卒業論文のテーマは「Ingressと観光振興」ではなく全く違うテーマになっていたかもしれない。
p.224:Nianticで最高製品責任者(CPO)を務める河合敬一さんが任天堂の岩田聡さんによるインタビュー企画『社長が訊く』に登場していたのを思い出した。Googleストリートビューの撮影に使われる「トレッカー」を背負う岩田さんの姿が載っている。インタビューではストリートビューが人々にもたらす楽しさなどについて語られている。
実は、日本時間の2017年11月16日に配信されたFacebookでのIngress5周年記念のライブ配信(英語)で、元Niantic社員でIngressグローバルコミュニティマネージャーを務めたアンドリュー・クルーグさんがNiantic創業者兼CEOのジョン・ハンケさんと対談するその奥に河合敬一さんが映っているのを確認する事ができる(以下の動画の14分45秒から、右奥に映る人物)。ライブ配信で5周年という節目を迎えたIngressについて色々と話すジョン・ハンケさんの姿も大変貴重なので見てほしい(9分44秒から)。このまま上手く続けば2022年にはIngressは10周年になる。ぜひともこうしたライブ配信をやってほしい。
p.225:Nianticの日本法人の代表を務める村井説人さんと言えば、2016年11月のトレンドエキスポ東京2016での講演。ポケモンGOの日本でのサービス開始から3ヶ月が過ぎて、IngressとポケモンGOが社会やビジネスにどんな影響を与えたか、Ingressがどんなゲームなのか、Niantic創業者兼CEOのジョン・ハンケさんはどんな理念を持っているのかなどについても述べられている。知る限りではこの時に世界で初めて「Nianticはゲームを作る会社ではなくプラットフォームを作る会社である」と主張された。
今はなきGoogle+上で川島さんがNianticの日本法人(株式会社ナイアンティック、Niantic Japan Inc.)の代表に就任した村井さんを紹介した投稿はファンサイトに収蔵されている。この村井さんが写る日経ビジネスAssocieの2009年10月20日号には川島さんも載っている。
p.64-p.66:校内誌で思い出した。ロン日(ロンドン日本人学校)の頃に、学級内向けに新聞を作っていた。小学校4年生か、小学校5年生の頃だったと思う。
p.258-p.259:ナッジ(nudge)として紹介された場面の動画。ジョン・ハンケさんに背中を押された川島さんが"Thank you. The dreams come true."と言ってポケモンGOのアメリカでのサービス開始のローンチボタンを押す様子が映っている。その川島さんの奥には河合敬一さんの姿が映っている。
p.348:Nianticでシニアエグゼクティブを務めたマイケル・ジョーンズさん。
読んだ感想を書くどころか、途中から追加情報を示すだけになってしまった。
【ソフトカバー】
【Kindle(電子書籍)】
-end-
読んだ後は投げ銭のほどよろしくお願いします。日々の活力になります。Amazon欲しい物リストもよろしく:https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/9FWMM626RKNI