30w1d ネガティブマタニティライフ


2023/11/10

30wに突入した。
ようやく、という安堵と、まだあと10週もある、という落胆。十月十日はあまりに長く、何度うんざりしたことだろう。

妊娠糖尿病と切迫早産のストレスは思った以上につよくのしかかっている。誰にも会わず、一人きりで過ごす自宅安静という平坦な毎日だからこそ、少しのトラブルを重く捉えて、その日一日をネガティブに過ごしてしまう。朝食の血糖値が130だったとか、お腹の張る回数が30分おきだったとか。そんなことで自分はもうダメだって思い詰めてしまう、退屈な毎日。

ドクターストップ、強制終了で打ち切られたお仕事から入った産休は、想像していたものとは全く違う。どこにもいけず、食べたいものも食べられず、血糖値測定に終われる。間の時間はただソファでひたすら編み物をするか、ドラマを観るか、本を読むか。限られた時間の過ごし方を、ループして時間を過ごす。

うっかり楽しく産休をエンジョイしている妊婦さんの姿を見かけると、心がぐんとつらくなるから、気を紛らわせることに必死。なるべくSNSは見ないようにしている。だけど美味しそうなご飯の広告とか遮断するのは難しいし、心揺れない日はなくて。お腹がすいて、さもしい気分になるから、そういう時は本を読む。文字を追っていると、心が落ち着く。

文章を読むのも、書くのも好きだった。切迫早産になって、入院の瀬戸際で追い詰められてから、文字を読むことがきつくなっていたけれど。少しずつ、心が回復してきたのだと思う。今は文字に気持ちを書き留めておきたい。時々、つぶれそうになるから。自分の背負っている命の重さに。お母さん、に込められた責任とやらに。私のこの行動で、お腹にいる命に何か危険が及ぶんじゃないか。この末恐ろしいほどの重圧に、窒息しそうになるから。

妊娠することがこんなにもつらく、逃げ場がなく、一人で抱え込まなきゃいけないことだなんて、全然知らなかったし、私はもう2度と、妊娠はしないと思っている。胎動を感じるたび、あああなたは中にいるのかと驚くけれど、私はまだあなたを見たことがない。生まれてきたらどんな気持ちになるんだろう。

あなたのために、と、あなたのせいで、は表裏一体だ。私のエゴで生まれてくるあなたに、できる限りのことをしたい。それが今の正直な気持ち。母親の自覚とか、母性とか、まだ全然わからない。でもあなたを無事に生みたい。その気持ちをまっとうするために、明日も目を覚ます。

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