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33年ぶり『ウィロー』Willow - 細部への記憶

これまでで一番好きな映画を、Disney+で33年ぶりに観ました。
あたらめて、私は全体よりもディテールに惚れることも認識したし、この映画の中に今の私が好きなことが全部詰まっていることも発見。
観ててくれてありがとう。23歳の私を抱きしめたい!


1988年の夏、この映画を観るために一人で3回銀座の映画館へ行き、合計5回観ました。

大学を卒業し就職のために東京に出てきて2回目の夏でしたが、どうしてそんなに惹かれたのでしょう。そして今も一番好きな映画なのです。

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それを、再び観ることができるなんて思ってもいませんでしたが、大晦日の夜に家人が入会しているDisney+で、スターウォーズの外伝作品を2作品観たので、この映画のことを思い出して、観させてもらいました。

記憶というものは、断片の集まり。

筋はほとんど覚えていないのに、一瞬の表情とか一言のセリフだけをとてもたくさん記憶していることに気がつきました。

そして、その一コマ一コマの展開に、33年前と同じ「きゅん♡」をしている私

この映画に夢中になった理由は、ディテールだったのです。その場面をもう一度見たくて、刻みたくて、なんども映画館に通ったのですね。「今じゃなきゃ」と思って。

どうも私は、「全体ではなくて、細部に惚れる」体質であることも改めてわかってしまいました。
そしてもしも、DVDとかを手に入れて「いつでも手元にあって再生できる状態」にしていたなら、こんなには自分の血肉になっていなかったような気がする。ほんとうは「いつでも再生できるもの」なんてないのに(見ている自分が同じではないですからね)勘違いしてしまうんですね。

「いつか、また」はないもの(現実化しないもの)と思うほうがいい。

そして、この映画はイングランドとウェールズの湖水の地がロケ地になっていて、そんな世界観に通じる『妖精物語』とか『アーサー王』や『ニーベルングの指環』を当時読み漁っていたことも思い出しました。でも『ウィロー』は、それらよりもむしろ『古事記』のスサノオやヤマトタケルの物語や『今昔物語』のほうが似ている気がする。

そして、戦争は嫌だと思いながらも、騎馬の姿が美しく弓や剣を巧みに操る男をかっこいいと思うのって、どうしようもない。


それにしても当時23歳の私が、

それから後の33年間で好きになっていくことを、ちゃんとわかっていた

ということが、わかってすごく嬉しい。



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