ピンピンコロリとネンネンコロリ【第2章①】

序章、第1章と続いたが、今週は第2章である。

第1章は「死に際」がテーマだった。第2章のテーマは、「やり残し」である。

コロリと死ぬのは、一見、ラクに死ぬように思えるが、忘れた頃に突然訪れる死ならば、もしかしたら、死ぬまでにやりたかったことができずに人生を終えてしまう可能性だってあるのだ。

自分の健康を信じて疑わず、これは数年後の楽しみに取っておこうと思っている人は、少なくないだろう。

ところが、運悪く不慮の事故に巻き込まれて車椅子生活になったり、あれほど頭の回転が速くて仕事もバリバリできていたのが一気にボケたりすることがある。

そういう人が、せっかくリタイア後の登山やハイキングを楽しめなくなったり、人が変わったように気力を喪失してしまったりするのを、私は今まで何度か見てきた。

最悪の場合、自ら命を絶とうとすることだってある。

だからこそ、若いときにバリバリ働くのも大切だが、体が動くうちに、メンタルが良好なうちに、やりたいこともたくさんやっておいたほうが良いのである。

もちろん、子どもや配偶者のために一生懸命働いてお金を稼ぐことも大切である。

でも、そのために一緒に過ごす時間がほとんどなく、子どもにも愛想を尽かされ、いざというときはもう体も動かなくて頭も回らないようでは、お金がたまっても幸せだとは言えないだろう。

「父ちゃん、あっという間に逝ってしまったね。」と臨終の場で言われることになったら、無念だろう。

さて、今、お金がなくてもできることは何だろうか?

食べるときに、好きな物は最後に取っておくタイプの人は、嫌いな物こそ最後に取っておき、後悔のないように、人生を楽しみたいものである。




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