歴史をたどるー小国の宿命(3)

21世紀の始まりは、2001年である。私たちは今、21世紀に生きているわけである。

日本が本格的に国づくりに取り組んだのは、8世紀である。つまり、701年からである。

中国に7回目の遣唐使を派遣して30年後、念願の律令制度が日本にも確立した。

それが、701年に制定された大宝律令である。これは、今の時代でいうならば、初めての行政法・民法・刑法の3点セットにあたる。

「律」が刑法にあたり、「令」が行政法・民法にあたる。大宝律令ができる前にも、「令」は施行されてはいたが、本格的なものではなかった。

7世紀当時、朝鮮半島の高句麗・新羅・百済には律令制度があった。交流のあった国々の中で律令制度がなかったのは、日本だけだったのである。

そして、大宝律令が制定された7年後の708年には、初めての流通通貨である和同開珎(わどうかいちん)が造られた。これによって、これまで主流だった物々交換の手段が次第に貨幣に取って代わられるようになっていく。

国内の経済が、通貨の流通によって回っていく土台が築かれたのである。

こうしてみていくと、今の日本は、中国や韓国の存在なしには語ることができないということがよく分かるだろう。

幾多の海難にもめげずに、遣隋使や遣唐使を派遣して、大陸の文化や慣習を吸収してきた先人に、私たちは感謝の念と敬意を表するべきなのである。

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