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「下剋上球児(第3話)」予選が始まるというのに嘘は隠したまま臨むモヤモヤさ

先週の「教員免許」を鈴木亮平が持っていない話が、今回で何も解決せずに、甲子園の予選が始まってしまう。これは、ドラマの作りとしてあまりよくないと思う。誰もが嘘をついて、それがバレないか気まずいまま時を過ごしたようなことはあるだろう。ドラマの視聴者がそんな気分になって、どうもドラマ自体を楽しめない状態になっている。

そんな中で生徒、それもキャプテンの暴力事件が起きて、それの処理に追われる鈴木。この回はそんなことがだらだら起きていて、鈴木は野球部に出てこないし、その間に練習試合は連敗。つまり、視聴者が野球部と同じようなモヤモヤな気分になるようにされてる感じ。これは、日曜にやるドラマの演出ではない気がする。野球ドラマといえば、どちらかといえば、試合の爽快感みたいなのが欲しいわけで、それをわざと新しい感覚というか、リアルなものを狙ってこうしているのだろうか?まさか、事を黙ったままに副部長で予選に臨むなんて、気持ち悪いですよね。

まあ、ドラマ的には、今の1年のエースが3年になって下剋上で甲子園に行く話だろうから、この初戦は負けてもドラマは続く。思うに、ここで鈴木も底に落ちて、罪を償って、生徒と共に本気で下剋上をやるという事なのだとは思うが、次回が4回目。ほぼ、ドラマの1/3以上を使ってその底を這いつくばるようなシーンを撮るということか?まあ、次回は鈴木の嘘がみんなにバレて、1年目は終わるのだろう。

そう、ここまで時間を使ってそれを描いてる割には、妻の井川遥にそれを話すところはカットして、井川の話を聞いた表情だけが出てくる。このあたりの仕込みは、全て鈴木の判断次第という描き方のような気がするが、すぐに教師をやめられない状態が見ている方にも気持ち悪いのだ。

最初から、このドラマ、鈴木よりも黒木華の方が野球部への向き合い方が真剣だし、描き方が球児を必死に描く感じでもない。そして、ヒーローであるはずの鈴木がひたすら格好悪くさせられているのは、わざとだとは思うが、ちょっとドラマのギアのチェンジの仕方がおかしい気がする。

そして、今週は裏でプロ野球の日本シリーズをやってるわけで、(こじれれば次週もそうですものね)それに対抗すべく、爽快な野球シーンが見たいと思ったりもするのだが、最も凹む時がそこにぶつかったらしい。タイミングも悪いですよね。

多分、ただ、野球ドラマが見たい人々は落伍していくでしょうし、「ルーキーズ」的な展開が見たかった人も残念がっているでしょう。ここにきて、小日向文世が孫に「アメリカに留学しよう」という気持ちがわかる感じが辛かったりもする。

まあ、ここから、鈴木が最後にヒーローになっていく過程がイマイチ見えないのが、ドラマの仕込みとして面白くもあるのかもしれないですけど。

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