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「侵入者たちの晩餐」しかし、高級マンション、セキュリティが甘すぎるw

新春からバカリズム脚本のスペシャルドラマ。予想通りに面白かった。一度見てから、結果を知って、もう一度見返したくなるドラマというのは面白いし、それをラストに番組でコメントするというのもテレビも変わったものだと思う。今時のネット環境を考えれば、そういうドラマがリピートされ金を稼ぐのだろう。コンテンツも構成の仕方が大事という時代である。二度見たくなるは、ヒットの要因としてはすごく大事。

ドラマの主要人物は、上の写真に写っている6人。菊地凛子、平岩紙、吉田羊、池松壮亮、角田晃広、白石麻衣。舞台劇にもできそうなサスペンスコメディと言えるだろう。家事手伝いのおばさんが、若い社長の隠した裏金を盗みにいく話が発端なのだが、ただの泥棒に出会ったり、ストーカーのマンションコンシェルジュも巻き込まれながら、最後にはみんな警察に連れていかれる話である。こういう話も、今なら本当にありそうな話で、バカリズム、創作したというよりは、3つくらいの事件を組み合わせた?まあ、そんなことどうでもよくて、結構なリアル感を持ってることが大事なのですよね。

でもさ、オチに使われた、会社のマスコットが純金でできていたような話は面白いけど、危なすぎて、そんなことやる裏金隠しはないだろうね。だいたい、お金を純金にしたところで問題起きそうだしね。まあ、形として近くにあるというのはドラマとしては面白いけどね・・。

そして、白石麻衣以外は、役者としては安定感どころではなく、自分勝手に面白く動く人たちだし、そんな人々が犯罪者になるのだから面白いのだ。そして、それは犯罪なのだが、「私は悪くない」という気持ちを最後まで持っているところがわかる危うさが笑いになる。しかし、不法侵入しても、掃除したり、賞味期限切れの食材を処理したから、差引0みたいな考え方は、実際成立しないわけだが、それを強引に正当な意見にしていく菊地凛子、なかなか最高でした。昨今は、朝ドラの淡谷のり子も含め、いろんな役をこなすようになってきたが、器用な役者さんですよね。コンテンツのグローバル化のなかで、日本にとって大事な女優さんだと思います。

で、菊池が掃除しているときに吉田羊がヨガをやっていて、ソファーの下を掃除できないという話があり、その中に何かあるとは思ったが、そこから出てきたのが、角田晃広だったとは思いもよらなかった、そして、彼が吉田の殺人を止めたりするわけで、繋げ方は上手いよね。というか、こんな人をコンシェルジュにしちゃダメだろう。で、ここで考えるのが、高級マンションでコンシェルジュがわからないように合鍵使って盗みをするみたいなことは可能なのだろうか?そんな事件も起こってそうではある・・。

吉田羊も、あまりどうでもいい役だなと思っていたら、吉田の元夫の不倫相手が白石麻衣だったとはね。そして、それは現在進行形であり、下手な脚本家ならこの男も出してしまうだろうね。

そんな中、去年は仮面ライダーまで演じた池松壮亮が、ただのコソ泥。そして、最後も純金をコソ泥して物語を壊していく役。こういう役もできる彼が好きでありますが、しかしこのマンション、簡単に侵入できるのですね。高級マンションと言いながら、セキュリティが意外に甘いみたいなマンションは実際にもあるのでしょうね。ある意味、このドラマはバカリズムからの警告なのかもしれない。

しかし、最後は、展開が色々で楽しかったが、この一癖も二癖もある役者たちに対応し、白石麻衣が演技的な違和感を感じさせなかったのは、脚本の絶妙さなのだろう。まあ、脱税してる若き起業家の元アイドルという役はピッタリではあった。とはいえ、乃木坂OBの中で期待は大きい彼女、役者としても今年はもっと大きくなっていただきたいものだと思ったりします。

とにかくも、現代風刺みたいなものをうまく詰め込みながらのバカリズム脚本は今回も、仕込みのうまさに唸らされたが、もう一度見ないと、理解できていない部分が多い気もする。結局、何回も見たくなる脚本を書ける人がこの業界生き残っていくのでしょうな。

しかし、2024年、昨日の「アイドル誕生」に続き、2日連続で良きものを見せていただきました。巷では不穏な事件が騒がせておりますが、エンタメ界は豊作の一年になっていただくことを祈ります!

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