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「季節のない街(第3話)」ねこまんま、たらふく食べられたら幸せだよね

3回目の今回、演出は横浜聡子に変わっている。横浜演出といえば、映画「いとみち」はなかなか面白かった記憶がある。東北繋がりでこの演出を任されたのか?作品的には宮藤脚本を生かしてうまく作ってあると思った。

今回は、池松壮亮が、山本耕史に送るネタが尽きてきて、自分と愛猫の話を書くことにする。そして、結果的にそれが面白いと50000円の入金があるという話。この辺の山本のセンスは全くわからんが、いまだに犬猫の話を書けばそれなりに需要があるということなのだろうか?

で、何を書いたかといえば、猫の大冒険だ。まあ、不貞腐れた子供が街を徘徊し、いろんなものを見つけるという話だと思えばいい。行き着いた先は天ぷらや。その店頭で粘り、揚げたての天ぷらを食べることに成功する猫。このドラマを普通の猫を使っては無理があるので、人が演じてるわけだが、あまりにも醜い猫の印象がつき、この演出でいいのか?と思ったところはある。そこに現れるホームレス親子の子供。町中から食料を集めているようで、そこで海老天を二本いただく。やはり、猫よりは人間の天下の街である。津波があったからって、その序列は変わらない。

で、猫は、片桐はいりの揚げている揚げ物が口に合わなくなる。高級天ぷらの油になれれば仕方ないか?でもさ、ここの店で売ってる「ハムカツバーガー」うまそうだよね。ぜひ、マックの新作か何かで出してほしい。こういうジャンクっぽいのはたまに食べたくなるが、猫の舌はそういうことないのかな?

で、最後はホームレスの話になっていくのだが、仮設住宅の部屋が余ってるのに、ホームレスなのは、津波がくる前から、彼らがホームレスだったことに由来するらしい。「そういう人、本当にいるのか?」そして、ホームレスのお父さん役の又吉直樹は、適役もいいところなのだが、彼、エリートホームレスの役を死ぬまでにあと何回演じるのだろうか?と思ってしまう。

で、彼らをチクったものがいたらしく、彼らの住んでいた住居は強制撤去されてしまう。せちがない世の中はとことんせちがない。災害の復興を素早くできない日本国は、違法な住居の撤去はスピード感を持ってやる。大体、公園のベンチにいらない間仕切りするような金があるなら、それを福祉に回せっていうんだよ。こういう、予算の使い方の下手さ加減は21世紀になっても変わらないのですよね。本当に、弱者は悪者みたいな論理を変える気は無いのか?こういうふうに文句が出てくるドラマなのですよね。そういう意味で、宮藤官九郎の風刺力なかなか鋭いですよ!

で、締めは、ベンガルがホームレスの2人の住居を作ってあげて、池松が猫の話を書いた収入で炊飯器を買って、みんなでネコまんまを食べるというオチはなんかすごく人間愛を感じるいいお話でした。

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