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「ゆりあ先生の赤い糸(第4話)」真面目に生きていた者がダサい者たちに囲まれて彷徨っていく感じ?

多分、菅野美穂は、自分は真面目にやってきたのに、なんでこんな変わった人に囲まれていなければいけないのか?と思っていたりもするのだろう。そう、世の中のマイノリティーみたいなものを抱えた人たちが一堂に揃っているような。でも、なんとか処理してるところはすごいというかタフネスである。この役は菅野以外考えられないように見せているところはたくましささえ感じてしまう。

そして、すごい濃い状況の家に、また鈴鹿の母である麻生祐未が訪ねてくる。彼女は、息子が介護してる相手を好きだということは知らない。まあ、旅館の女将という地位を持つ人だから自分の生活は心配ないのがまだ心強い。ここに彼女まで住むようになったら濃すぎますものね。しかし、彼女に本当のことが知られないようにするために、ここを「シェアハウス」と言ってしまう菅野はやはりすごいですよ。まあ、普通の心根の人ならば、この状況は寝込んで当たり前の状況。

そんな、菅野を何か好きな感じになってきているのが松岡茉優。菅野に「抱きしめて」と縋る気持ちの本心は?しかし、今回の松岡はなかなか色っぽい芝居をしているが、この間まで「最高の教師」で真面目な教育者を演じていたわけで、なかなかのカメレオン俳優ぶりを見せている。この女優さんはまだまだ化けていきそうである。そして、普通に綺麗になってきてますよね。

で、その娘の白山乃愛にバレエを習わせたらといい出す菅野。先週から白山がそこに至る感じはあったが、白山が自分からはそれをしようとしないという流れの中で、彼女がそこに至った時に家庭はどう変化していくのだろうか?このドラマ、そういう細かいことでいろんな着地点ができそうな気がする。

まあ、色々いまだに家庭の中で好き嫌いを明確にする鈴鹿央士もいるわけだが、彼がこの家にいる人に共感をしていくような状況になれば、なお着地点は見えにくくなるような気もする。そう、前が見えないドラマだ。だから、目を開けても、言葉さえ喋れないでぼーっと見つめている田中哲司は、視聴者自身にも見える。とはいえ、全ての事象は彼が起こしたことなのだが・・。

そんな中で、便利屋の木戸大聖と菅野美穂は、急激に心惹かれあい、今回のラストはお互いの認知のもとでのキスが行われる。そう、この恋というか不倫もどう転がっていくのか?「赤い糸」というタイトルから思えば、家庭のあやとりゲームがこんがらがってしまって、どんな形で取れるのか迷走の中にいる状況。それをドラマ的にはなかなか上手く交通整理はできていると思う。

誰に共感することもできないのだが、ここまで、家庭という形にこういう変形もありうるという現代を上手く描いていっていることは確かだ。

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