見出し画像

「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」高石あかり&伊澤彩織の意味のない会話とアクション場面の差異がドラマを作り出す

この続編は楽しみにしていた。伊澤彩織のキレのいいアクションが見られると思うだけで嬉しくなる。そして、高石あかりとの妙な雰囲気を持つコンビも相変わらずに面白い。とにかく、このシリーズ、日常の意味のない少し一般人とはズレてるほっこりした会話劇の中に、突然にキレの良いアクションシーンが出てくるところがたまらない。アクション映画というのはコメディとの相性が良いということは、昔からわかってることだが、再確認させてもらえた。

監督は前作に続き、阪元裕吾。低予算だから、アクションシーン以外は安上がりであり、音楽もほぼない状態。それでも飽きずに見ていられるのは、やはり主役の二人のキャラが立っているからだろう。

そして、舞台の一つになっている定食屋の雰囲気がすこぶるよく、その出てくる定食の感じも私好みである。こういう定食屋も下町でもなくなるばかり、どこなのでしょうか?行ってみたい!

で、今回の相手は、反社の人間ではなく、殺し屋の同業者。バイトで殺し屋を狙っている二人、丞威と濱田龍臣が、本業で殺し屋としてのしあがろうと、高石と伊澤を狙い殺そうというもの。まあ、この相手が最初はあまり強そうには見えなかったが、ラストのバトルはなかなか見応えがあった。この映画で伊澤の相手になるのは、それなりのアクションをこなす人間でないとダメなわけで、そういうキャスティングなのだろう。

しかし、最初の方の銀行強盗を倒すシーンもそうだが、伊澤彩織、今回もたまらなくエキサイティングな殺陣を見せてくれる。ここまでアクションできる人がいるのに、それを使いこなせない日本映画界は本当に困ったものである。東映がヤクザ映画や空手映画を量産していた時代に彼女がいたら、もっとビッグになっていると思う。彼女をもっとスターにするという人はいないのか?アクションを監督できる人がいないということも大きいよな。

そして、今回、高石のアクションもキレが良くなっている気がする。伊澤と絡むようなシーンでうまく噛み合ってますものね。前作でも違和感がなかったのだが、確実に格好良くガンを構えられるようになっている。

とはいえ、映画全体の話の流れは今ひとつな感じもした。前作に比べると敵の数も少ないし、バイオレンスさも少ない感じ。二人がジムの費用と殺し屋の保険を支払っていないことから、映画が始まるわけだが、銀行強盗を勝手に締めてしまって、謹慎処分にあう。そして、前回と同じようにバイトをする人生。今回はパンダとトラの着ぐるみで奮闘というところ。

しかし、ここでの雇い主の渡辺哲が、二人に映画「花束みたいな恋をした」の話をするのは、何か違和感があった。監督は意識して、これを脚本に書いた?そして、画面こそ出てこないが、二人がビデオを見るシーンがある。これ、音は本物だが、こういうのは著作権料やすくなるのですかね?まあ、二人の、「なんかなー」みたいな反応が面白かったが、なんか不思議な挿入だった。意味がわからないのです・・。

ラストのバトルは廃車処理場。昔は、こういうところでアクションよくありましたよね。そういうのになつかしさを感じるくらい、そういう映画がなくなったということだ。とにかくも、アクション映画がもっと作られる日本映画界になってほしい。この映画がその転機になればとも思うのだが、そこまで興行が化けていないのが残念なところ。とにかくも、パート3も作ってほしいし、Netflixか何かで金かけて連作にしてほしい気もする。そのくらい、高石と伊澤のコンビは魅力的なのですよ!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?