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「PICU 小児集中治療室 (第2話)失敗して、悔しがって、また立ち直る。それが頑張ると言うこと。

第2話も、色々と自分を重ねていろんなことを感じた視聴者は多いのではないか?何をやってもうまくいかない、受け入れられないと言う主人公の気持ちは、医者に限らず多くの人が通ってきた道だ。私も似たような覚えがある。だが、人間、毎日毎日、一歩一歩前に向かって生きていれば、いつの間にか、自分が考えてもみなかった境地にいることがある。その過程を振り返らせてくれるようなドラマだ。

子供に対して、やってはいけないと思われることを正義と思ってやってしまった、主人公、吉沢亮。その心をどう言うふうに回復させるのかと思ったら、最後に、まさかの菊地凛子扮する北海道知事の登場だ。この、二人で飛行機を眺めながら、話すシーンはすごく良かった。手紙を通して縁した二人が、同じような思いで、自分のダメさと夢を語る。そして、その後、吉沢亮は、また一歩大きくなっている感じになるわけで、ドラマの作りとしてとても心地よい。

吉沢亮の柔らかい笑顔は、小児科の先生としてはピッタリだと思う。そう考えると、上司の安田顕は子供には少し怖く感じるかもしれない。木村文乃の先生も、小児科でクールビューティーでいいのか?と思うところはある。皆が、少しずれてると思うものを組ませることで、吉沢亮が大きく浮かび上がるキャスティングなのだろう。そう言う点でも、なかなかうまく仕組まれたドラマだ。

今回は、火傷をした子供が運ばれてきて、その姉が弟を庇って、喉に炎症があることを隠していたことから始まる。その、炎症のことを見つけるのは吉沢。しかし、声は元の通りには戻らないと言う診察結果。彼女は歌を歌うことが好きな子で、歌が歌えないとなるとどう思うか?と母親はその真実を娘には伝えないでくれという。チームとしても、子供のメンタルを考えてそれに同意する。

しかし、吉沢は、子供と仲良くなってしまい、そのことを子供に伝えてしまう。そのことで子供は死のうと試みる。ある意味、吉沢はわかりやすいショックを受け、「自分はだめだ」と徹底的に落ち込む。ここでの、周囲の皆の吉沢への意見の仕方は、結構なリアル感がある。あくまでの職業のあり方について吉沢に教えるために厳しく当たる。そして、吉沢は大きく落ち込むわけだ。

時代は、パワハラはいけないと言う意見が飽和して、こういう仕事に対して意見することまで、なかなかできないことが多い時代だ。そんな中で、職業として、「それは間違っているという意見」が言える職場は素晴らしいと思う。もちろん、吉沢にそこから這い上がってこいと言うラブコールでもあるわけだ。まあ、それは根性論だという意見もありそうだが、でも、人間って、落ち込まないと、成長しないのですよね。そこのところは、時代が柔らかくなっても同じだと私は思います。そして、コンピューターやAIは叱ってくれないのですよ、リアルな叱責は絶対に必要だと思います。

子供を治療すると言うことは、いろんな面で大人とは違うわけで、そう考えると奥は深い。その深淵さをドラマの中にどれくらい書き込めるかですね。なかなか面白くなりそうです。

しかし、最後に中島みゆきは演出的にずるいですよねw

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