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【140字小説】相違

なぜか腕が痒い。

掻きむしると
爪の隙間に鋭い痛みが走った。

硬く銀色に輝いたそれは
指先に少し出血をさせ
あたりに生臭い不安を漂わせた。

一葉つまむ。鱗がきらめく。

横殴りの頭痛のなかで
私が私でないことを
冷たく教えてくれた。

昨夜の笑顔を取り消す術を探す。

/ルリニコクみみみ



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