「裏方」への憧れが止まらない
いつからだろう。裏方へ憧れを抱くようになったのは。
ミュージカルを観に行った。オーケストラの生演奏で、パーカッションパートが客席から見える仕様になっていた。
入れ替わり立ち代わり楽器を持ち替えて、BGMにリズムを加えるパーカッショニストの仕事っぷりに、ミュージカル鑑賞をしにきたはずなのにどうしても目が奪われる。
特に左側で演奏していたお姉さん。舞台の上の演者ばりにノリノリで体を動かし音を奏でる姿は、かっこいい以外のなにものでもなかった。
休憩の間にオーケストラが隠れる前方のオーケストラピットを見に行った。楽器がずらっと並んでいて、奏者たちの姿はなかったけど、ああ彼らが演奏しているところも舞台と一緒に観てみたい、と思った。
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大人なって、目に見えているものだけで全てが出来上がっていないと知ってからというもの、ついついその裏側がどうなっているか考えてしまう。
なんだかサンタクロースを信じることができなくなった子どもみたいで少し寂しいけど、目に見えるものは立体的で、そのレイヤーや断面には、たくさんの人の夢が詰まっていると思うと、わくわくする。
ライブの音響スタッフやビジュアルエフェクトアーティスト、F1のエンジニアやテクニシャン。そこを目指して努力してきた人の集まりは、やっぱりかっこいい。
「裏方」なんて言葉を使うけれど、彼らは彼らの人生の主役で、裏も表もない。
そんな人たちのプロフェッショナルっぷりに心を掴まれ、憧れを抱く。
ああ、わたしも彼らと同じようにかっこよく仕事ができてるのだろうか。
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