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弱さを開示できる組織づくり

こんにちは、企業の採用CX支援を行うHeaRの大上です。

メンバーと定期的に1on1を行っているのですが、こんな会話をしました。

「HeaRでは120%の力で走らないと、青春できないよね」

我々はスタートアップなので、他の企業よりハードワークして勝利を掴まなければならないのも事実です。
しかし、スタートアップの中で働くメンバーも"人間"です。

時には仕事の悩みによって仕事に集中できない時もあるし、
時にはプライベートの問題を抱えて仕事に集中できない時もあるし、
時には疲労が溜まり過ぎることもあります。

HeaRは「社会から華金の愚痴をなくそう」と日頃から謳っている組織でもあるため、弱音や愚痴を吐き出す場所が少なかったと思います。
あと、僕が皆に弱音を吐かなすぎるのかもな、、、と反省しています。

この1on1の会話が行われた次の日にちょうど全社mtgの機会(ヒアキン)があったので、HeaRの組織課題を洗い出す時間を設けました。
すると言葉は違えど、同じような課題を持つメンバーが多かったので課題解決に動きます。

近しい組織課題にぶつかった事例を探していたところ、書籍「最強チームをつくる方法」を見つけました。


チーム力を醸成する文化とは
1.安全な環境
2.弱さの開示
3.共通の目標

の3つに集約されるいう主張の書籍だったので、
ちょうど今のHeaRを押し上げてくれると思い読んでみることにしました。

以下は、当書籍から学んだ内容を紹介していきます。

1.「小さな私」から「大きな私」への変容

なぜチームに安全な環境や弱さの開示が必要なのか?
それは小さな私から大きな私への変容が起こり、組織のバランスが崩れていったことに依ります。

ソーシャルメディアの台頭・浸透により、この数十年で時代が変わりました。かつての謙虚と協調を良しとする文化は、現代では自己顕示を良しとする文化へと移行しました。

すると人びとは、自分をできるだけ大きく見せることに終始し、自分を世界の中心において物事を考えるようになりました。(これが大きな私)
自尊心が強い「大きな私」は、常に飢えに苦しむ。他人と競争し、他人との違いを際立たせなければならないので、多くの行動に自我が含まれるようになっていきます。

一方の「小さな私」は謙虚であり、自分が他者よりもいかに優れているかを証明しなくてはいけないという強迫観念から解放されています。すると自然と他人を称賛するし、他人とも協調できる。

「大きな私」の文化が全面的に間違っているわけではありません。
非効率な慣習からの解放や個人の自律と自立、個性の重視は社会の進歩でもあります。

しかし、現代はバランスを欠いている。主流の「大きな私」の文化は行き過ぎました。それがかえってチームを脆弱にしている。自我に溢れた組織になり、協調性が相対的に減っていく。すると組織の安全性も欠如していくという流れですね。

優れたチームのために必要な文化と行動様式は「小さな私」です。「小さな私」の文化を取り戻し、バランスを回復する。この本が主張していた部分ですね。

2-1.安全な環境の作りかた

安全な環境とは、スタートアップで使われている言葉で表すと「心理的安全性が高い組織」です。

そんな安全な環境をつくるためにはシグナルが重要と説いてます。
シグナルとは言語を用いない合図・仕草のこと。

何十万年もの間、人類は一人では生きられず群れで生活してきた。
仕草や視線などのシグナルは、言語よりも早く生まれていた。
そのため人類の脳は、その種のシグナルを感知する能力を大きく発達させてきたという。私たち人間は、言葉以外の方法で「帰属のシグナル」を送ることで、「安心できる関係」を構築しているのだ。

具体的な「帰属のシグナル」は以下の通りです。
言語を用いたものも含まれてますが。

・お互いの物理的な距離が近い。よく輪になっている
・アイコンタクトが多い
・握手、グータッチ、ハグなど肉体的な接触がある
・活気のある短い言葉のやりとりが多い(誰かの長いスピーチではない)
・チーム内の交流が盛ん。仲のいい小さなグループで固まらず、誰もがメンバー全員と会話する
・人の話をさえぎらない
・質問をたくさんする
・人の話を熱心に聞く
・ユーモアと笑いがある
・「ありがとう」と言う(ドアを開けてあげるなど、ちょっとした礼儀や親切を忘れない)

どれも、一般的に言われている「優秀なチームの特徴」とは関係のないものばかりに見えます。むしろ普段は完全に見過ごされている要素。しかし、そういった一見すると「どうでもいい」ことが、チームのパフォーマンスを決める最も大切な要素になっています。

2-2.安全な環境の計測方法

組織の安全状態を計測することができます。(以下の5つ)
「リーダー⇄メンバー」よりも「メンバー⇄メンバー」の計測項目が多かったことは意外でした。
リーダーはしれっと以下の5つ項目に当てはめてmtgやオフィス風景を眺めるといいと思います。

1.チームの全員が話し、話す量もほぼ同じで、それぞれの1回の発言は短い
2.メンバー間のアイコンタクトが盛んで、会話や伝え方にエネルギーが感じられる
3.リーダーだけに話すのではなく、メンバー同士で直接コミュニケーションを取る
4.メンバー間で個人的な雑談がある
5.メンバーが定期的に外の情報に触れ、新しい情報を他のメンバーと共有する

2-3.物理的距離を近くする有用性

現在は新型コロナウイルスの影響により、オフィスで働きづらい状態です。
リモートワークを組み合わせた働き方の企業も増えていることでしょう(弊社も同様です)

オフラインで働くことの有用性に関する記事や書籍はいくつも出ていますが、ここでも紹介です。

優れた結果を出すプロジェクトは、メンバー同士のコミュニケーションの量・質がとても高いとのこと。そのようなコミュニケーションを意図的に生むには、物理的距離を近づけることが一番有効である。

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距離が8メートルより近くなると、コミュニケーション頻度が急激に高くなる。逆に距離を50メートルまで離すと、今度はコミュニケーションがほとんど起こらなくなる。まるで水道の蛇口を閉めたようにぴたりと止まる。それを8メートルまで近づけると、蛇口を全開にしたようにコミュニケーションがあふれ出す。つまり、距離の近さがつながりを生むということだ。ただ物理的に近づくだけで、つながりへの欲求が一気に強くなる。

メールを送る、SNSで交流するといった行為も、物理的な距離が近いほど頻繁になるのだ。ある研究では、近くで働く人同士は、離れたところで働く人同士に比べ、メールの頻度が4倍になることがわかった。その結果、近くで働くチームは、プロジェクトの完成が32パーセント速くなる。

3-1.弱さの開示とは

HeaRが今後重点的に取り組むべき部分ですね。

では弱さの開示とは何でしょうか?
それは「自分には弱点があり、助けが必要だ」という明確なメッセージを発することです。

それがチームの中で当たり前の態度になれば、不安や恐怖を忘れ、お互いに信頼し協力して働くことができます。

協力関係は何もないところからいきなり生まれるものではなく、筋トレのごとく、ある特定のパターンの行動をくり返すことで少しずつ鍛えられていく。 (ああ、筋トレしないと…💪)その行動とは、"あえて"お互いに弱みを見せ合うというリスクを取り、恥ずかしさや苦痛を共有すること。
「信頼しているから弱くなれるのではなく、信頼より先に弱さが存在する」という順番で考えましょう。

メンバーの誰かが弱さを見せると、チーム全体がリラックスした雰囲気になる。つながりが深まり、信頼感も深まります。誰もが『弱さを見せる』というモードを感じ取り、このチームでは強がらなくてもいいんだ」と安心し、そこから思いやりと助け合いの精神が生まれます。

実際に前回のヒアキンで、とあるメンバーが弱さの開示(人と話すのが苦手)をしてくれたおかげで組織がリラックスした瞬間を目の当たりにすることができました。HeaRにとって大きな一歩だったと思います。勇気を持って弱さを開示してくれたメンバー、本当にありがとう。

3-2.弱さのループをつくる

弱さを見せるという行為は、見せる人よりもむしろ見せられる人の役割が大きいです。「相手の弱さを見て、自分の弱さも開示するのか。それとも自分の弱さを隠そうとするのか。」受け取り手がどちらを選ぶかで、結果は大きく違ってくる。

そのようなタイミングで弱さを見せるコミュニケーションを「弱さのループ」と呼びます。

1.人物Aが弱さのシグナルを送る
2.人物Bが弱さのシグナルを受け取る
3.人物Bが自分の弱さも開示する
4.人物Aが人物Bののシグナルを受け取る
5.弱さのループが確立され、親密さと信頼が深まる

3-3.まずリーダーが弱さを見せる(1回ではなく何回も)

何事もリーダーが率先して始めること。
自分が全然できていないことですね、、、ごめんなさい!

弱さの見せ方は人さまざまです。
書籍ではこのようなエピソードが紹介されていました。

例えばあるプロバスケットボールの監督は、シーズン最初のスピーチで、「久しぶりなのでとても緊張している」と言う。すると選手たちも、監督に共感するように笑顔になる。彼らも同じように緊張していたからだ。

リーダーはメンバーに次の3つの質問をすることを勧めています。
1.今私がしていることのなかで、このままずっと続けてほしいと思うことを1つあげるとしたら何か?
2.今私があまりしていないことのなかで、もっとたくさんしたほうがいいと思うことを1つあげるとしたら何か?
3.あなたにもっと生産性を上げてもらうために、私にできることは何か?

ここでのカギは5個や10個ではなく、1つだけあげてもらうことです。
その方が簡単に答えられますし、リーダーがこういう形でフィードバックを求めると、部下も安心してフィードバックを求めるようになる。弱さを素直に認める態度には、伝染性がある。

また物理的なもので弱さのループを表現するチームもある。
たとえば企業調査サービス大手のダン&ブラッドストリートの社内には、「失敗の壁」と呼ばれるホワイトボードが設置され、社員たちが自分の失敗した経験を書き込んでいく。

4.HeaRが取り組むこと

筋トレと同様、少しずつ弱さを開示できる組織を目指していきます💪

1.リーダーが積極的に弱みを見せる
これまで僕自身がメンバーに弱みを見せてきませんでした。
「リーダーの弱いところを見せて、失望されたら怖い…」
「リーダーに失望して、船を降りられたら嫌だ…」
という心理が働き、見せてこなかったのでしょう。

弱みを見せることのメリットも改めて学べたので、今後は僕自身が少しずつ弱みを開示していきたいと思います。えいえいおー!

2.メンバー同士のコミュニケーションを活性化する
メンバーは悩みや課題が生まれたら僕との1on1で話す(解決する)ことが多かったが故、僕にしかネガティブな感情を吐露できない状態になっていました。

今後はメンバー同士でも弱さを開示できるよう、まずはメンバー同士の関係値を深めるためのコミュニケーション施策を行なっていきたいと思います。

3.全員で組織に向き合う時間を増やす
弊社はヒアキン(HeaRの華の金曜日)でワークショップやディスカッション、勉強会などを行なっています。
これまでは事業系・組織系のトピックを交互に取り上げていましたが、今後しばらくは組織に向き合う時間に専念したいと思います。

5.まとめ

HeaRは「愛と青春」を大事にする会社です。
しかし弱さを開示することが苦手な組織でもありました。

HeaRで働くことを通じて、メンバーに青春し続けてもらいたい。

仕事もキャリア形成も会社経営も、短距離走ではなく長距離走。
辛い時も苦しい時も、いつか訪れる。
そんな時にHeaRがみんなを支えられるような場所でありたいなと。
そのためにはメンバー間の深いつながりを作る必要もあると本書籍で学びました。

組織は僕のプロダクトです。
HeaRという組織に向き合い続け、HeaRをより良い組織にしていきます。

HeaRの話を聞いてみたい方、HeaRに興味を持った方がいたら是非ご連絡ください!お待ちしております!(ヒアキンに参加いただくことも可能です)


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