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「ロゴ」は服だけではなく、家電でも主張をしない方が良い存在、な件。

皆さんが使われている家電にメーカーの「ロゴ」は入っているだろうか?
おそらく、殆どの家電に「ロゴ」は入っていると思う。ただ、新しい家電ほど「ロゴ」は小さくないだろうか?

今はこの「ブランドロゴ」をあえて目立たなくする動きが広がっているようだ。かつてステータスや信頼の象徴だった「ロゴ」は今やデザイン上の「ノイズ」としてとらえる消費者が増えているらしい。

アイリスオーヤマはサーキュレーターの全面や操作部のロゴをなくし、背面に控えめに印字した。
シャープはドライヤーや空気清浄機の全面ロゴを廃止し「プラズマクラスター」といった技術ロゴを前面に出した。
日立製作所はスティック掃除機のロゴを目立たない「エンボス加工」に変更した。リサイクル性も考慮して2次加工を極力排除した。エコにも配慮した変更である。

こういった「ロゴレス」の動きは、すでに知名度がある大手メーカーだけではなく、規模の小さい新興メーカーでも同じだ。

こうした動きの理由の一つに、機能や信頼性が全体的に底上げされたことがあげられている。今は技術レベルが向上し、どのメーカーを選んでも失敗しにくくなっているという事だ。

実際に「商品やサービスを購入する際に重視していること」といったアンケートでは
1位  品質、性能
2位  価格の安さ
3位  費用対効果(コスパ)
4位  見た目、デザイン
ときて「ブランド、メーカー」は9位となっている。

特に今の「Z世代」はブランド基準で家電を選ぶ人は少ない。
「見た目・デザイン」を「とても重視する」のは40代50代は20%台なのに対し、20代は35%、15から19歳は42%にもなる。若者ほどブランドにこだわらず自分のライフスタイルや趣向に合致しているかで選んでいる。

私も世代的には40代50代になるので、どちらかと言えばブランド志向に傾倒していると思うのだが、そんな私でもデザイン性で気に入ったのがパナソニックの「ラムダッシュ パームイン」だ。小さくてデザインもシンプルで「欲しいなあ」と思った商品である。もう少しひげが濃かったら購入していただろう。
「ロゴレス」のように、メーカー自身を主張しない傾向が続けば、今後はさらにデザインや機能性がコスパ良く配分された商品が増えるのだろう。その結果、私たちの世代も「デザインや機能性」で選ぶ比率が高くなっていくと個人的には思う。

「機能性・シンプル」と言えば、ファッションの世界では「ユニクロ」が大きな存在だ。「ロゴ」といった方面で見てみれば「ユニクロ」のロゴが入った服など見たことがない。最近は同じく「機能性・シンプル」で無印良品もファッションインフルエンサーがよく紹介をしている。
一方で「GU」は機能性こそ劣るものの、デザインという観点では流行の形を非常にコスパ良く打ち出しており「デザイン性、流行性・シンプル」に優れている。全くないわけではないが「GU」のロゴが入っている服も非常に少ない。

ファストファッションブランドでは、デカデカと自社の「ロゴ」をプリントしている服は少ない。機能性やデザイン、シンプルさや流行といった若者が欲しているものに対し、デカい「ロゴ」はあまりにもインパクトが強すぎるのであろう。

急に話は横道に逸れるが、私はマンガ「うる星やつら」が好きである。最近リバイバルでアニメも作られているから、若い方でも知っている人はいるのではないだろうか。その「うる星やつら」の話の中に宇宙から飛んできた土鍋の話がある。宇宙から降ってきた怪しげな土鍋に向かって食べたいものを言うと、その中から注文した食べ物が出てくるのである。生徒は焼き鳥やお茶漬けなど口々に注文をするのだが、チェリーというお坊さんが最後に「しるこ」と言ってしまい、すべての食べ物が台無しになってしまうというストーリーだ。お茶づけと焼き鳥は一緒に食べても許せるが、おしるこに浸ってしまってはとても食べられるものではないという事だ。

いきなりマンガの話になって申し訳なかったが、要はファッションにおいて「機能性やシンプルさ」が優れていても、それにデカデカと「ロゴ」が入ってしまっては全く持って台無しである、という事が言いたかったのだ。わかりにくいたとえだったらすいません。

そう考えるとファッション業界は家電業界よりずっと先を走っていると言える。自分自身を主張や表現したい場合に、会社名やブランドの入った「ロゴ」は確かに「ノイズ(雑音)」である。それはファッションも自分の部屋(空間)も同じだろう。

一方で「ロゴ」が好まれるケースもある。いわゆるハイブランドである。ある時はこれでもかというくらいデカく、ある時は割と控えめに「ロゴ」が入っている。ロゴが入っていなくても、マークだったり象徴的なデザインだったり、一目でブランドがわかる場合もある。Tシャツなんかは特にそうだ。
この場合は「自分を主張したいからロゴは邪魔」というのではなく「このハイブランドを着ている自分を主張したい」のだろう。

確かに衣類に関しては、家電ほど機能性で種類があるわけではないし、インフルエンサーさんたちの言うように「ハイブランドでもユニクロでも、原価はそんなに変わらない」のであれば、差別化の要因として「ハイブランドロゴ」は非常に有効である。「ハイブランドが買える自分」を表現できる。何万円もするTシャツや何十万円もするジャケットをみんなが買えるわけではないので、自己優越感を見たすこともできる。

コスパを優先する一方で「どうせお金をかけるなら、より価値があるものに」といった傾向も最近はあるようだ。
実際、百貨店に行くとルイヴィトンやエルメスの前には常に入店待ちの人が並んでいる。

しかしながら、「家電」といったマーケットに、ヴィトンやエルメスのような「ブランド力」があるメーカーが現れる可能性は極めて低いと思う。
「このメーカーのロゴが入っているから買おう」と考える人はどう考えても少ないだろう。今後も。
この「ロゴレス」の傾向は、今後もっと強くなっていくのではないだろうか。

そのうち外箱や保証書を見ないと、どのメーカーの商品だったか分からなくなる、といった世界になるのかもしれない。

それはそれで故障したときとか面倒くさいよなあ・・・。

今日はここまで。

引き続き、どうぞよろしく!

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