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桜の咲く頃に

明るい人を見ると俯くことが多くて
美しい景色を見ると走り出したくなった
言葉と心の寄せ方が違うのが顔でわかる
それを理解するのにだいぶ時間を要した
何となく素朴に引き寄せられる生き方
誰もいないところで空気のように
無機質になることで力を抜けられた
前髪は不規則なほうが好き
自撮りをしない人生を良しとしている
たぶん独特な考え方なのだろう
どうやれば笑えるのかを知らない
というより笑いたくないのに笑えない
瞬きを人より3倍多くして視界を捉えてる
ものの見方をわからないまま大人になっていく
人より景色に馴染める努力をしてきた
空が海が、そこにいてもいいよと
顔に吹きかける風に居心地の良さを
感じられることを今も望んでいる
そこには誰もいらなくて
私だけの溶け込みを必要としてきた
最もリラックスしている時に
閉じ込められた能力は発揮される
集中したり追われてたりすると
必ずと言う程、途中で離脱してきた
集中と夢中は異なるもの
夢中になると無意識に鼻唄を歌うらしい
本当にリラックス出来ているのだろう
リズムよく鼻唄を奏でて軽くなり
心の目は開かれていく
瞬きもせず、夢中に追いかける
その時の自分に気づかぬままに
急に訪れては去っていく
実感はいつも後の方から追いつく
時にすればほんの短い時間なんだろう
その時の為に生きているとしたなら
辿り着くまでの耐えるを耐えて
ようやく認められる美しさに出会える
そんなことを咲きかけの桜を見ながら
ふと自分に重ねている

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