見出し画像

人の深みとはなんでしょう?

人の深みとは何でしょう。人格の成熟とも捉えられると思います。それは、社会的に評価されているからと計り知れるものではありません。

具体的に、人格の成熟とは何なのでしょうか。概してそれは、物の見方に起因します。1つの現象に対して多角的な視点から考慮することができるか。その判断が人の深みを明らかにしてくれます。

もっと具体的にお話ししましょう。人の成熟は、自分以外の個々の人に対してどのように向き合うかによって表面化します。個々の人の事象は、千差万別であり、画一的な対応では済まないことが多いです。対応しようとすれば、詳細を知る必要があり、複雑化していきます。その複雑な個人の問題に対して、その人がどのように向き合うのか、そしてどれほど忍耐を発揮することができるのか。その様子を観察することで、その人の人格の成熟具合を推測することができるでしょう。

万が一、個々の人の問題に一般論を当てはめようとするのであれば、その人はまだ自分の考えを成熟しきれていない証拠です。一般論はあくまでも、傾向であり、個別の問題に適用することが難しい。それにも関わらず、そのことを理解せず、社会から支持されているからという理由だけで、その案を採用しているその人は、まだ、自分自身の思考法を確立できておりません。

また、社会的ステータスが満たされているからといって、個人の人格の成熟の指標にすることもできません。多くの人間の関心を得ることと個人の欲求を満たすことは異なります。個人が抱えている問題は、原始的であり、瑣末なことです。その欲求を満たすことが必ずしも相手の利益につながるとは限りません。しかし、その問題に向き合うことができるか、瑣末なことで実利的ではないけれども、その問題に時間をかけて向き合うことができるのか。それは、社会的なステータスを得る行為とは別物です。

醸成という言葉が人に対して適切かわかりませんが、人の深みとは醸成されるものだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?