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カスタマーサクセスKPI(インナー)に関するいくつかの考察

だいぶ一般化したCSのKPI

カスタマーサクセスがかなり一般化してきて、そのKPI設計についても一定の型のようなものが情報として流通するようになってきました。

カスタマーサクセスのKPIは?と聞かれると、チャーンレートやオンボーディング効果、アップセル/クロスセルの数値、あとはNPSなどが挙げられることが多いですし、実際に自分の周りでもこのあたりがKPIになっているというCS組織はとても多い印象です。

CSのKPIは外を向きすぎていないか?

上記に挙げたCSのKPI、とてもスタンダードであることに疑いの余地はないのですが、あえてツッコむとしたら少し外向きな要素が強過ぎないでしょうか?

言い方を変えると、セールス機能が持っているKPI、マーケティング機能が意識すべきKPIとの重複度合いが少し高すぎないでしょうか。

各機能ごとに役割分担さえできていれば、気にするほどのことではないですが、ダブルリソース/機能重複/カニバリゼーションの予備軍であるとも言えそうです。本当にこのKPIはカスタマーサクセス機能独自なものでしょうか。(カスタマーサクセスとしてのユニーク性を持つものでしょうか。)

CSのKPIを内側にフォーカスする視点

ということで、カスタマーサクセスのKPIを組織の内側にフォーカスしてみるとどうか?と思っています。例えば、下記のような視点。

・プロジェクトスタック率
重要だが緊急でないタスク、三遊間になりがちな課題、長期目標/課題の進捗状況把握など、各機能が短期的に追いかけたくなるKPIから少し外れているが、非常に大切なプロジェクトが必ずどの組織にもあるはず。そのカバー率を上げ、進捗管理を行うこと。どのくらいのプロジェクトが動いており、何が理由でスタックしているのか。潤滑油として機能しているかを測る指標。
・機能間/機能横断の会議体オーナー率
組織間の連携を強化することを意図し、自組織内ではなく、どのくらい別組織に開いた会議体を管理・維持できているか。組織内の全機能に対して、何割くらいと定例会議体を持ち、情報把握と各組織のAS-IS解像度を高められているか。組織内ヘルススコアに近い感覚を測る指標。
・基盤データ/ダッシュボードアクセス率
各機能全体が、顧客および組織の解像度を高く、そして共通認識化できているかを図る指標。組織全体での大目標に対する進捗や、顧客自身の状態を表すデータに対し、日々各メンバーは数値感覚をアップデートし続けられているか。組織内が同じ言語/同じ前提で会話できる土壌は整えられているか。

などなど。

CSは全機能と接続されるハブ機能であれ。

というのは持論ですが、冒頭に記載したような一般的なKPIというのは、セールス/マーケ/ISといった機能領域との境目に位置しているKPIであると言えそうです。いわゆる"売りをつくる"に近い領域。

一方で、インナーKPI部分で記載したようなものは、どちらかというと、経営企画/営業企画/人事に近い領域かもしれません。社内のタレントマネジメントにも少し関わることもありそう。(タレントマネジメントだと、"人"になっちゃうので、"組織機能"にフォーカスしたような"ファンクションマネジメント"とでも言うのでしょうか。)

各組織におけるCS以外の組織の機能拡張度に応じて、可変的にカスタマーサクセス機能が形を変えることができれば、それが一番ハマるのでは?などと思ったりします。

CSは、まだまだこれからな領域だからいろんな情報仕入れて色々考察してみたいですね。

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