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”透明人間”化する父親たち

 昨日、「夜間救急に子供を連れてくるママは…」というツイートが拡散されていた(現在は非公開ツイートになっている)。

「パパは隣で欠伸して、携帯触ったりなんかしてるけど、」

と書かれたそのツイートには1000を超える「いいね」が付いていた。
ツイート主は”父親という生き物は「監護者」としての当事者意識が無い”と言いたいのだろうと受け取れたが、自分はそれに違和感を覚えた。

子供を病院に連れてくる父親は増えている

 自分の息子は喘息もちで定期的な通院が欠かせない。
たいてい自分が同伴するのだが、土曜日の小児科には”抱っこ紐で子供を連れてきたパパ”(ママはいない)が多い。
土曜だけでしょ?と思われるかもしれないが、体調崩して平日に病院に連れて行った時でも同伴している父親が自分だけ、ということは数えるほどしかない。

 父親が「監護者」として子供を病院に連れてくるというのはもう当たり前のことになっているように自分には見える。

炎上した”子連れ出勤”発言にも”父親”はいない

 先日、宮腰少子化担当大臣が子連れ出勤を視察した記事が炎上した。

「赤ちゃんはお母さんと一緒にいるのが何より大切だ」と指摘

 ここでも「赤ちゃんはお母さん、お父さんと一緒にいるのが~」とは言われなかった。
子供を連れて出勤するのは「お父さん」でもいいはず。にも関わらず宮腰大臣の眼はお母さんしか見ていない。

父親は透明人間?

 ”父親は欠伸をしているだけ”とツイートした人にも、それに賛同した人にも、宮腰大臣にも監護者として当事者意識を持って育児に取り組む父親は見えていない。

Twitterで多くのパパさんと繋がっている自分はとても哀しい。

 仕事と両立させながら、日々育児に取り組むパパさんたち。
いわゆるパタハラを受けているパパもいる。
保育園の送り迎えに苦労しているパパもいる。
妻との関係に悩みながら育児を続けるパパもいる。
だけど、そんなパパたちはまるで「透明人間」かのようにスルーされ、
「父親」=「育児をしない・当事者意識が無い男性」として批判される。

 自分は男性を「育児しない・当事者意識が無い」と批判することは、
逆に男性から「親としての責任」や「育児参加しやすい雰囲気」を
奪っているように思います。

育児する男性の存在がもっと認知されるように…

 育児をする男性がもっと認知されれば、「父親」のロールモデルが多彩になり、男性が自分なりの育児参加方法を見つけやすくなります。

「自分は何をすればいいのか?」を悩む若い男性も、周りにたくさん先輩パパが見つけられれば勇気づけられ、”父としての自分”をイメージし、自覚を持ちやすくもなるはずです。

育児は日々、小さなことの積み重ねです。
朝、出勤前に保育園に子供を連れていく。
夜、子供をお風呂に入れて、寝かしつけるために急いで帰る。
公園ではスマホで写真を撮ったり、一緒に遊ぶ。
休みの日には抱っこ紐やベビーカーで子供と一緒に出掛ける。

そういう小さな「父親」を見つけたら心の中で応援してあげて欲しいです。
そしてもし「お!これは”いいね”だな!」と思える瞬間に出会ったら、SNSで発信してもらえると嬉しいです。

以  上

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