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注意しない工夫とは

障がいのある方が学校や日中活動に行くためのサポートに通学通所支援事業というのがあります。必要な時間帯だけヘルパーが付き添ってくれる制度です。しかし、ヘルパー不足で十分に機能していません。また、サービス中にトラブルも多く、ヘルパーも困っていることがあります。

困りごとのひとつにバスの中ですぐにボタンを押してしまうというのがあります。

あるヘルパーが言っていました。
「座れるときは一緒に座って、ボタンを押さないように両手をつないでいます。でも座れないときは大変です。大丈夫なときは平気なんですけど、でもダメなときは何度言ってもダメなんです。そんなときは何回も謝っています。」

障がいのある方の中には、ボタンを押すのが大好きな方がいます。玄関の呼び鈴も大好きです。だから一緒に外出したときは気が抜けません。支援者が油断をするとすぐに他人の家の玄関の呼び鈴を押してしまいます。

ボタンを押すのが大好きな方と一緒に外出するときは、支援者の立ち位置をを道路わきの家の玄関に合わせて、右、左、と入れ替えたりしながら歩きます。

バスのボタンの場合、押されないように予防することも大事です。しかし、予防ができずボタンが押されてしまったときは、「ボタンを押したから降りますね」と伝えてバスを降ります。そこから目的地まで歩ければ歩きます。歩けなければもう一度、バスに乗ります。また、ボタンを押してしまったら降ります。付き添いのヘルパーが謝る必要はありません。このやり取りのなかでバスの乗り方を覚えてもらいます。

予測とは、この利用者はボタンを押すからそれを阻止することではありません。この利用者がボタンを押すということがわかっているなら、ボタンを押したらどうするのかということを予測して、時間に余裕を持って支援内容を組み立てることです。そうしておけば支援者も時間を気にすることなく、あわてず、怒らず支援ができます

法人の支援姿勢に、注意しない工夫をしよう、と書きました。しかし、なかなか浸透しません。

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