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社会情動スキルを身につける③/エフィカシーを高める(ポジティブフィードバック)

2021年02月06日、早稲田大学エクステンションセンターZoom講座で、向後千春先生の「社会情動スキルを身につける」を受講しました。今日は、この講座で学んだことの中から、「効力感と自信」について、私の仕事と関連付けてまとめます。

まず、向後先生からは、「こころの資本」という本の紹介がありました。

この本の中では、「心理的資本」として次の4つを示しています。

・Hope「達成への意思と経路」
・Efficacy「効力感と自信」
・Resilience「立ち直り乗り越える力」
・Optimism「現実的で柔軟な楽観主義」

Efficacy(エフィカシー)

この中で、まず、Efficacy(エフィカシー)について説明がありました。エフィカシーとは、自分は成功するために必要なものを持っていて努力をすればそれが成功に結びつくという信念です。つまり、自分がうまくやっていけるという認知が重要になるということです。

また、エフィカシーは、他者からポジティブなフィードバックを受けることと、自分自身の行動を振り返ることで高まると向後先生は言います。

これを私の仕事に関連付けて考えます。私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。利用者の支援が私たちの仕事です。

ポジティブフィードバック/ほめる

支援場面におけるポジティブフィードバックですぐに思いつくことは、ほめることです。しかし、相手を尊重してほめることは難しい技術です。支援者の言葉かけでは、ほめる、おだてる、ちゃかす、これらが混同していることがあります。また、「叱るよりほめる」と決めつけて、ほめすぎる支援者もいます。さらに、そういう支援者にかぎって、急にほめなくなります。

たとえば、遅刻の多い利用者が、遅刻せず来た日の支援者の言葉かけです。支援者は、「すっごーい、これたじゃん」「えっらーい」を連呼していました。利用者もうれしそうにしていました。しかし、これがいつまで続くのか疑問です。

支援者に、いつまでほめるのか聞いてみました。支援者は、「毎日来れるようになるまでほめます。」と、言っていました。利用者は、ほめられるだけでなく、支援者との言葉のやりとりが楽しいということも想像できます。ほめる以外の言葉、たとえば感謝の言葉も用意しておかなければいけません。

また、支援者は、ほめることで利用者を操作することがあります。
「よくできたねー」「いいねー」「じゃ、これもやってくれる?」
支援者は、本筋と関係ない仕事を頼みます。私たちの仕事は、利用者のやる気を支援することです。利用者を上手に使うことではありません。

こんなこともありました。支援者が利用者に「よくできたね」と声をかけました。するとその利用者は、視線をそらして「だって大人だもん」と言いました。ほめ言葉は難しいです。

ポジティブフィードバック/ありがとう

ほめることで、利用者のやる気につながったらうれしいです。しかし、ほめることで、利用者を支援者の都合のいいように誘導してしまうことがあります。ほめる目的が変わっています。利用者もほめられることが目的になっています。また、文脈を間違えると利用者を傷つけることになります。

そこで、ほめるだけでなく、自然に感謝の言葉を口にできるスキルを身につけておきたいと思います。

明日は、自分自身の行動を振り返ることについて書きます。


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