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社会情動スキルを身につける⑩/レジリエンスを奪わないようにしよう

早稲田大学エクステンションセンターZoom講座「社会情動スキルを身につける(講師:向後千春)」で学んだことを、私の仕事に関連付けてnoteに書いています。講座は、02月06日と13日の2回でした。講義の後半では、Resilience「立ち直り乗り越える力」Optimism「現実的で柔軟な楽観主義」の2つを学びました。

今日は、レジリエンス(立ち直り乗り越える力)について、私の仕事と関連付けてまとめます。

レジリエンスが足りない…

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。この私が、この講座で学びたいことは、自分の社会情動スキルを向上させることと、利用している皆さんの社会情動スキルを高める支援方法を見つけることです。

今回、講座を受講して、私たちの支援を見直すと、社会情動スキルを向上させるという意識を持っていなかったということに気づきました。中でもこれから説明をするレジリエンスは、一番苦手な項目です。

レジリエンスは、逆境、対立、失敗さらには前向きなできごと(進歩や責任の増大)から立ち直る能力です。しかし、対人援助においては、平穏が優先されます。そのため逆境や対立、失敗が起こる前に対処します。大きなチャレンジも少なく、前向きなできごとも限られます。

障害がある利用者の中には、状況への適応が苦手な人がいます。そのため支援場面では、利用者の生活や行動にマイナス面が現れると速やかに支援者が介入します。事態がひどくならないための対応です。レジリエンスを発揮する必要がありません

「なにかあったらどうしよう」って何?

また、まだ起きてもいないことに対して、支援者が過剰に防衛姿勢に出ることがあります。支援者は「なにかあったらどうするんですか」と言います。しかし、「なにか」の次元があいまいです。本人に生命の危機や第三者に危害がおよぶのであれば絶対に避けなければいけません。しかし、具体的な「なにか」がないまま「どうしよう」では、成長が妨げられます。

私も、書類だけを見て、「なにかあったらどうする?」と、口にしてしまうことがあり、口にしたあとで「なにか」って何だろう…と、自問します。

苦手な人との距離の取り方

また、利用者同士の対立が始まると速やかに支援者が介入します。そのときに言う言葉は、「なにがあったの?」です。しかし、この質問に正しく答えられることはほとんどありません。

そのあとは、対立した二人を向き合わせて、人は仲良くしなければいけないということを諭します。さらに、握手をさせてその場をつくろいます。

しかし、世の中にはどうしても相性が合わない人がいます。その人と仲良くするのは難儀なことです。私は、自分には苦手な人がいてあたりまえなのに、利用者にはみんなと仲良くを求めてしまったことがあります。気をつけないといけません。苦手な人との距離の取り方を支援する必要があります。

レジリエンスを奪わないように

私たち支援者は、利用者がレジリエンスを発揮する前に、支援者が先立って事態を解決させてしまいがちです。今回の講座で、レジリエンスが弱いから支援をするのではなく、支援者がレジリエンスを発揮する機会を奪うこともある、ということを自覚しました。



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