見出し画像

すれ違い

迷っていた。

会って直接伝えたい。

そう思えば思うほど、いてもたってもいられず、メッセージを送ってしまう。

「どこに居るの?」

「家にいるよ」

「何をしてるの?」

「寝ようとしていたところ」

金曜日の深夜2時、それもそうだろう。

「おやすみ」

「何か用事があったんじゃないの?」

「いや、遅いからまた明日連絡するよ。おやすみ」

「わかった。おやすみ」

ここから君の住む街まで、飛行機で1時間30分。

急に会いに行ったら、君はどんな顔をするだろう?気持ち悪がるかもしれない。

そんなことを考えていると、朝がやってくる。

いつものことだ。

でも、今朝はどうしても行かなければいけないような気がした。

嫌がられたって良い。旅行で行ったことにしよう。

君の住む街に降り立ち、観光をして時間を潰した夕方、君からメッセージが届いた。

「今、どこに居ると思う」

「家?」

「違う。。。君の住む街」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?