養老孟司「バカの壁」 要約

昨日、養老孟司「バカの壁」を読み切りました。この本における一番大事なメッセージは最後の章「一元論をこえて」に集約されているように思います。

要約に加えて、僕なりに考えたことを書いていきたいと思います。


タイトルでもある「バカの壁」は、若者と老人、イスラム教とキリスト教とユダヤ教などあらゆる対立の根本的な原因となっているものです。

対立する人たちに共通するのは何か絶対に変わらない真実や原理があると思っている点です。

一元論と呼ばれる考え方です。

養老孟司はこの一元論的な考えは長期的に見れば必ず破綻すると主張しています。

例を挙げれば、

・天皇を神格化して戦争に突っ走った戦前の日本

・全知全能の神が誰なのかで争うイスラム原理主義やキリスト教


なぜこうした一元論的な考えに陥ってしまうのか?

それは脳に楽をさせようとしているから、思考停止したいからということです。


徳川家康は「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」という言葉を残しています。

崖登りを放棄して、何か絶対に正しいと言われる原理に身を委ねれば、崖から落ちていくばかり。本来見えたはずの景色が見えなくなってしまうのです。

その代表例がオウム真理教のようなカルト宗教である。

養老孟司の教え子の東大生の中でも引っかかった学生がいたそうです。


私自身もこうした指摘は耳が痛かった。

東大に入ることが全てだ。

そうした原理主義な考えで受験勉強に励んでいた記憶があるからです。


原理がない中で普遍性として成り立つものは何なのか?

それは人間ならこうするだろうという人間としての正しさ。


今後は

この会社に入りさえすれば、東大に入りさえすれば、金さえ稼げれば

という思考を捨てて、自分の頭で考えて、崖登りをしていきたいと思います。





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