彼の不安と応援、そして信じること。
「行ってらっしゃい」とマンションのエントランスで抱き寄せられて、そこで初めて「そうか、彼も不安なのか」などと思うなどしたぼくは、その瞬間まで彼の心を置いてけぼりにしていたこの数ヶ月の自分を悔いた。
乳房縮小術を受けること、これはぼくら“ふうふ”間で、何度も何度も、繰り返し話し合いを重ねた議題である。結婚前に自分のセクシュアリティについてカミングアウトはしていたものの、彼はそれをぼくの「生き方」や「思想」なのだと思い込んでいた。
だからぼくが胸オペを望んでいると打ち明けたと