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人生を変えた映画3

ツイッターで、人生を変えた映画3本みたいなハッシュタグがあるのを見かけた。みんなそれぞれ好きな作品を挙げていて興味深かった。ツイッターの文字数制限では語り尽くせなそうなので、僕はここに書いてみようと思う。

まずは以前ここでも書いたインド映画『ムトゥ踊るマハラジャ』である。

今もまだロングランがまだ続いているインド映画『RRR』より20年以上も前。映画館で拍手喝采が巻き起こるのを初体験し、映画の力を思い知らされた体験は唯一無二だった。

ふたつめは98年のチェコアニメ映画祭で観たヤン・シュヴァンクマイエル監督の短編『男のゲーム』。同時上映だった『対話の可能性』、他のプログラムで上映されていたトルンカやバルタの作品とともに、僕が短編アニメーション、アートアニメーションに傾倒するきっかけになった作品だ。当時僕は20歳。こんな世界があるのかと、まさに世界がひっくり返るような衝撃を受けたのを覚えている。少しでもこの世界に近づきたい!と思った僕は、映像の養成所に通って粘土アニメを撮るという暴挙に出るまでになる。VHSソフトを買って毎日のように繰り返して観たし、最近DVDも買い直して今でも時々観る。何度観ても新鮮な感動と発見があるとんでもない映像作品だ。

もうひとつは、僕がいわゆるミニシアター系映画にハマるきっかけになった作品、リサ・チョロデンコ監督の『ハイ・アート』という映画だ。写真雑誌編集者と堕落した写真家とのガールミーツガール映画。丁寧に描かれた人間ドラマ、すっきりしない終わり方。ハリウッドとは全く違う文法で作られた小品だったが、映画を見終わったあとに、この結末しか有り得なかったのか、もっと幸せな結末があっても良かったんじゃないのか…と、ずっと頭に残り続けた。そんな体験は初めてだった。そんな体験をもっと重ねたくて、僕はミニシアター系映画に通いつめていたのかもしれない。主演のラダ・ミッチェルは後にいくつかの映画でも観たが、ウディ・アレンの『メリンダとメリンダ』でのコメディエンヌぶりは痛快だったなぁ。

こうやって思いつくまま並べてみると、どれも98年〜99年、19歳20歳の時に観た映画だと気づいた。もっとも多感な時期に観た映画だからこそ人生に影響を与えたのかもしれない。僕にとってそれがたまたま映画だっただけで、誰かにとっては小説だったり、誰かにとっては音楽だったりするのだろう。若者よ、今のうちにいい作品にたくさん触れておくのだぞ、それはきっと君の人生を変えるような出会いになるだろうてと、老害のようなことを言って締めることにしよう。

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