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はじめてのネットショッピング

昭和生まれ、ギリギリ1970年代生まれ、どちらかと言うと古い人間で、そんな同世代の中でもとりわけアナログな人間である。インターネットで買い物をするという行為に苦手意識があった。それでももう21世紀になって四半世紀が経とうとする現代。最近はちょいちょいネットで買い物もするようになってきた。

初めてネットで買い物をしたのは、当時ハマっていたサッカーのカードゲームの収納用バインダーだった。バインダーの付録に付いてくる限定レアカード目当て。とてもオタクらしい理由である。公式サイトからおそるおそる注文して、支払いは受け取り時に現金を手渡す代引き払い。今となってはいにしえの支払い方法と言ってもいいんじゃなかろうか。配達予定日はソワソワと待った記憶がある。なんならわざわざ休みを取ったような気もする。付録で付いてきたドルトムントのロマン・ヴァイデンフェラー選手のレアカードは微妙に価値が高騰し、3000円ぐらいのバインダーの付録なのにカードは一時期時価8000円ぐらいになっていたが、売らずに持っていて愛用したものだ。

いや、初めてのネットで買い物をしたのはその前にピザを注文した時だったかもしれない。ピザも電話で口頭で注文したことはあったが、初めてネットでポチポチとクリックして頼む時は不安に思ったものだ。ちゃんと注文出来ているだろうか。使い忘れたクーポンはないだろうか。当時の家は少し分かりづらい所にあった。備考欄に、『川沿いの狭い道を入った奥の黄色いドアの建物です』なんて説明を添えたが、ちゃんと迷わずに来られるだろうか……。もちろんそんなくだらない不安は全ては杞憂に終わって普通にピザが時間通りに届いた。ピザ代もまだ代引きで手渡ししていたなぁ。ここ数年宅配ピザも頼んでないけれど、もうネット決済が主流なんだろうなぁ。

ネットで買い物をすることは特別なことで、昔ネットで買ったものはいくつか覚えている。推しのサッカーチームのニット帽は機能的にもデザイン的にも気に入って、くたくたになるまで3冬ぐらい使い倒した。どうしても欲しかったグルジアの工房の口琴。普通に封筒に入って郵便受けに届いていてびっくりしたものだ。ハンドメイドのメンダコ型チューリップハットは嬉しくて、稽古場に持って行ってみんなに被せて写真を撮った。みんなかわいかった。

ここ数日、衣装で使いたいものなどをネットで注文するついでに色々と細かい買い物をして、続々とそれが届いている。頼んだ本なんかは注文したその日の夜に届いて随分と驚いた。すごい時代になったものだ。最近はこうやってネットで買い物をするのも少しだけ当たり前になってきた。こうやって人は変わっていって、こうやって当たり前が更新されて、こうやって『文化』が生まれていくのだろう。衣装にしようと買って昨日届いた服は思ったよりも色味がぼんやりしていてイマイチだった。こういうがっかりももう『あるある』なんだろうなぁ。

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