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防御行動考

最近、人の防御行動に興味がある。何かがあって傷付いた時、ストレスに晒された時、人は自分を守るための行動を取ることがある。防御行動というのは僕が勝手に付けた呼び方だが、人によっては回避行動と呼ぶべきだったり、或いは回復行動だったりする場合もあるように思う。

防御行動は無意識にやってしまう癖のようなもので、人によって、またはそれの向かう対象によって様々である。分かりやすいもので言うならば、笑うとか泣くとかだろうか。先生に怒られてついヘラヘラと笑ってしまう。あれは怒られるというストレスを笑うことによって逃がす防御行動だ。泣くというのもまた然り。子供が叱られて泣くというのは、急激に与えられたストレスをコントロール出来ずに発露する防御行動だと言えるかもしれない。

そういえば中学時代に卓球部だった頃、ミスをした時にラケットでバチンと太ももを叩いていた。あれもミスをしたというストレスを逃がすための防御行動だったように思う。ミスをして悔しいというストレスを、自ら罰を与えることで緩和し、ミスをして恥ずかしい(=周囲の視線が気になる)というストレスを、反省している風に見せることで周囲を納得させ誤魔化そうとする。大なり小なり心当たりがあるのではないだろうか?

防御行動というのは僕が勝手に付けた呼び方だが、ストレスマネージメントに近いかもしれない。ストレスマネージメントの中で、無意識的に、反射的に出てしまうものを防御行動と呼ぶ、という定義は割としっくりくる。防御行動は大人になるにつれて社会性を帯び、多様化し複雑化することもある。笑うとか泣くとかだけではなくなり、対象と距離を取るだとか逆ギレするだとか相手を攻撃するだとか、自傷行為も防御行動のひとつだろう。例えば恋人に浮気が見つかるというストレスが発生した場合、謝って許しを得ようとする防御行動が先ず発生し、それが機能しなかった時に逆ギレという防御行動が続き、あなただってあの時こうだったじゃないと相手を攻撃し、最終的に泣くという防御行動が発生したりする。支離滅裂な行動も、自分を守るためという目的があるものだと考えると納得出来る部分もあるのではないだろうか。

誰だって傷付いたりストレスを感じたりするのは嫌なものだ。生きていくうちにそれらから身を守るための手段をそれぞれ獲得していく。それが防御行動だ。というこの文章も、理不尽に不機嫌になるという行動を分析して、これこれこういう心理で不機嫌になったのではないかと仮定して、それを防御行動と定義づけをして言葉にすることで未知から身を守るという僕の防御行動だ。人はみな、なるべく心穏やかに生きたいですもんね。

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