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クロアチアの話

ワールドカップの間くらいサッカーの話が多めになってもいいだろうということで、一日ぶりだけどまたサッカーの話をすることにする。

僕は普段、イタリアのインテル・ミラノというチームを推している。昨夜日本が対戦したクロアチア代表には、インテルゆかりの選手が何人かいた。同点ゴールを決めたペリシッチ選手も2015年から昨シーズンまでインテルにいた選手だ。インテリスタ(インテルのファンはこう呼ばれる)は、一度インテルに所属していた選手はよっぽど変な出て行き方をしない限りはおらがチームで頑張ってくれた選手として行く末を温かく見守るのが通例となっている。曲がりなりにも日本人として日本代表を応援しつつ、インテルゆかりのペリシッチ選手の活躍も嬉しいという複雑な乙女心が発生した僕は、ペリシッチのゴールシーンでは思わず、「ペリにゃん!あーペリにゃん!!」と叫んでいた。ペリにゃんというのはペリシッチ選手の愛称であるが、僕以外にそう呼んでいる人がいるのかどうかは知らない。

クロアチアの中盤で主力として活躍するのは、今もインテルで活躍しているマルセロ・ブロゾヴィッチ選手。ペリシッチと同じく2015年にインテルにやってきて、今もずっとインテルにいてくれている。母国クロアチアのディナモ・ザグレブからやってきたブロゾヴィッチは当時22歳(だったと思う)。若き才能を獲得してインテリスタたちはワクワクしたものだが、加入当初ちょっとした騒ぎ(?)があった。入団会見、そして加入してからのトレーニング風景の写真、ブロゾヴィッチが全くの無表情だったのだ。ブロゾヴィッチは感情を忘れてきたのではないか…?と一部のインテリスタたちは困惑しつつ心配した。しばらく経ってようやくトレーニングで笑顔を見せるブロゾヴィッチの写真が公式から出た時には、「ブロゾが感情を取り戻したぞ!!」と一部のインテリスタたちは大いに沸いたものだ(本当にごく一部のインテリスタの話です)。

ブロゾヴィッチと共にクロアチア代表の中盤を形成するコバチッチ選手もインテルにいたことのある選手だ。ブロゾが来るよりちょっと前の2013年、当時19歳か20歳だったコバチッチ君は鳴り物入りでインテルに加入した。背番号は10番。インテルの未来を背負う若き逸材として迎えられ、しかし若さやチーム事情のゴタゴタもあってなかなか活躍出来ないまま、2年ほどでチームを去った。若手の有望株を獲得するがどうも育てることが出来ず、イマイチ活かせないまま手放した後に他のチームで名手として大成する……というのはインテルあるあるである。見方によっては2年でインテルを捨てた選手と言えるかもしれないが、インテリスタたちの多くはこういう選手たちに対して、うちで育ててあげられなくてゴメンな、と申し訳ない気持ちを持ちつつ行く末を温かく見守るという習性がある。移籍したレアル・マドリードでもそんなに出場機会を得られず、さらに移籍することになった先のチェルシーでようやく主力として活躍するようになったコバチっちを、インテリスタたちはよかったねぇようやく居場所を見つけられたねぇと思って見つつ、代表で見せるブロゾヴィッチとの中盤がもしインテルで実現していたらと夢想するのである。

日本は死闘の末に敗れた。しかし勝ったクロアチアも次戦は優勝候補最有力のブラジルである。難しい試合になるだろうが、僕はペリにゃんやブロゾ君やコバチっちを応援しようと思う。フォルツァやで!

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