我、天啓を得たり 〜体調不良期間で心身をリセット〜

一昨日はドストエフスキー『罪と罰』に触れてみて、昨日は太宰治『風の便り』に触れてみて、今日は太宰治『正義と微笑』に触れてみた。

いずれも、ベッドで寝転がりながら、という状態であったので、目で読書するのではなく、音で読書させていただいた。

改めて、文明の利器というものは素晴らしいなと思う。発声のプロフェッショナルと呼べる方が朗読した作品がネット上に無数に転がっているのだから。それも全編。良い時代になったもんだ。まったく。

以下、一部引用させていただく。

【引用はじめ】

▶ 「私は三十まで大根と言われていました。そうして、いまでも私は自分を大根だと思っています。」(『正義と微笑』より)

▶ 「天才とは、いつでも自身を駄目だと思っている人たちである。」(『風の便り』より)

【引用終わり】

僕は、二作品とも、昨日・今日、初めて触れたわけではない。以前に読了した経験がある。そして、太宰治の作品は大体好きな僕ではあるが、その中でもお気に入りと言って良い作品達だ。

だけど、今日、引用した文章を読み、ハッとするまでは、特に引っ掛かりを覚えていなかった。良い言葉だなぁ、とは思いはすれど、別個で捉えていたのだろう。点と点が繋がる感覚を持っていなかったのだ。

これだから「再読」はやめられない。

いや、厳密に言えば、、朗読動画の聞き流しだから、「読む」よりも「聴く」なんだけど、まぁ、そこは置いといてね。

僕は、太宰治の作品は、少なくとも一回は最後まで目を通しましたよ、という作品ばかりで、一度読んで、感銘を受けたりだとか、深く考えさせられたりだとか、良い読書体験だったな、と思えた作品は、何度も何度も、繰り返し読む癖がある。

これは変わった習性なのかもしれない。普通、と言って良いのか分からないけれど、少なくとも、一人の作家の作品をあらかた読み終えたら、別の気になる作家に移ってみる、という流れの方が、大多数を占めるんじゃないか、と思っている。

だけど、僕は違う。実際、他の作家さんの作品に触れてみたこともあるのだけど、なにか、違うのだ。上手く言葉で言い表せないんだけど。スーッと入ってこないというか。僕がイメージする声で脳内再生されないというのか。

太宰治の作品であれば、文章を読みながら、同時並行で、文章を書き綴っている太宰の姿が連想出来たりだとか、太宰はおそらくこんな声だったのだろう、などと思いながら読み耽ったりだとか・・・。

※確か『ダス・ゲマイネ』で「太宰治」という登場人物が出てくるのだけど、「細く甲高い女っぽい声」みたいな描写が出て来るので、それに基づいて脳内補完されている。

こう言うと大袈裟かもしれないけれど、物理的空間においては、僕と本、一人なのだけど、本という媒体を通して、太宰治と対話しているような、そんな心持ちになれる。それが、僕は大好きなのだ。

言い換えれば、他の作家に対しては、“そういう感覚”に浸るることが出来ない、ということになる。そのため、没入感みたいなものが得られず、一冊を最後まで読み切ることすらせず、途中で断念してしまうのだろう。

そして、軽い自己嫌悪に陥ったのち、当然の如く、太宰治の作品に戻って来てしまうわけだ。ちなみに、作品はその時の気分次第である。

これら、断念した時に限らず、なのだけど、日常生活を送る中で、フッと、太宰治の作中のセリフが頭に思い浮かぶ瞬間があったりする。そんな時に、再読をするケースが多いように思われる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・・・。

失礼。

自分でも、何が何やらよく分からないのだけど、気が付いたら、バーっと、熱弁していた。今、我にかえった。今日のテーマとは全く関係のないことを喚き散らしていた気がする。大変申し訳ない。

・・・。

かと言って、ここから話を戻して、というのも、なんだか出来なくなってしまったので、「まぁそういうことよ!」と、謎の決め台詞を吐き捨てて、今日の記事を終えたいと思う。(おい)


“我、天啓を得たり”

そう。既にタイトルに記していたんだった。この一言に、僕のパッション全てを乗せてしまおうか。

色んな意味で、明日から、また、リスタートを切れそうな気がする。いや、気がする、じゃなくて、リスタートを切る。決めた。約束する。

週末に体調を崩した時は「あちゃ〜」と思ったものだけど、週末を終えた今は、充実した日々を過ごせたな、と感じている自分が居る。不思議なものだ。

人間万事塞翁が馬。禍を転じて福と為す。嗚呼、日本語って、素敵な言葉が沢山あるなぁ。また久し振りに広辞苑を読もうかな。「調べる」のではなく「読む」のが、僕は好きなのだ。辞書を読むのって、楽しい。

そんな、日曜日でした。
週末の大半は、ベッドで、ゴロゴロしてました。
さあ、月曜日から、リスタートだ。

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