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雑念日記 | ここではないどこかへ、と思わなくなった田舎暮らし

ひょんなきっかけで田舎暮らしを始めたのが3年前。

それまでの10年間は、とにかく非日常がかっこいいと思っていた。イマココに満足できなかった私は、「ここではない、どこか遠くへ」と気が向けば旅ばかりしていた。累計30カ国。

堅実なタイプだったので大企業の正社員として働いていたけど、最初の3年は週の半分は国内出張していたし、その後の3年はシンガポール駐在で毎月のように海外出張に行っていた。

公私共に非日常を味わおうと、文字通り飛び回っていた。

そんな私を見て親友からは「根無し草」のようだね、と言われたこともあった。

良く言えばフットワークが軽いんだけど、地に足がついていない、と言われれば否定はできなかった。

そんなわたしも田舎に暮らして3年が経とうとしている。その間にコロナが流行り、結婚・出産をした。

この3年間、ほとんど旅をすることなく、暮らしていた。

コロナが流行ったから?
子連れで出かけるのが大変だから?
農業してると長期で出かけにくいから?

いろんな要因が重なり、あんなに飛び回っていた私が、根っこを張ったように1箇所にとどまることになった。

もちろん、また旅に出たいと思ってはいるけど、それはもうきっと1人旅ではなくて。
家族や友人との旅行だったり、1人だとしても旧知の友人を訪ねる、みたいな旅。


どうして旅への欲望が落ち着いたんだろう?

それは、きっと、この土地に、日々を過ごす家族や友人に、この暮らしに、満たされているからだ。


近所を散歩すればたくさんの花が咲き乱れている。

それは誰かの祖先が数十年前に植えたものだったり。

ご近所さんの枝垂れ桜


近所のチューリップフェスタのボランティアで頂いたチューリップだったり。

春の色


数十年前に公民館を建てた時に植えた桜だったり。

まさに今日が見頃


お散歩しても誰にもすれ違わないけど、もしすれ違ったとしても近所の方々だけど、この(人や物が少ないことによる)静けさと、(自然豊かで鳥や虫の声が響き渡る)賑やかさが同居したこの暮らしが好きなんだと思う。

東京やシンガポールで暮らしていた時のようなギラギラした刺激はないけれど、ふと、目に見える景色に「あぁ、綺麗だなぁ」と心の底がポッと温かくなるような幸福感がある。

あぁ、ここに移り住んできて良かった。
そう思えた散歩だった。

いつも読んで頂きありがとうございます!最大限の愛を❣️